第83回 上手なコミュニケーション手法その2~会話の概念化~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

コミュニケーションを行う上で、相手の伝えたい事や発している言葉の共通した性質をまとめる上で、それらの概念をいち早く掴む事が、相手を理解する最良のポイントとなります。

多くの方は、論理思考の中で自然とこの「概念化」が図られ相手の意思やこちらに伝えたい事柄を概括的に理解し、その真意を探ることを行っています。

この概念化を行う速度が遅い方や、苦手な方は会話によるコミュニケーション が不得手なタイプが多いようです。

また、その事を自己認知していない場合、 周囲からの指摘に対しても、すばやく修正や改善が成されないこともあります。

概念化が出来ていないと、会話の趣旨が伝わらずに自分勝手な方向へと返答が進み、時には相手を苛立たせる事も有り得ます。

例えば、

A1“原材料費が高騰している中で、いかに粗利を確保するかがポイントですね”

A2“このような状況下で、製品コストを今後どう逓減させるべきだろう?”

B1“世界的に原油価格が上がっているので、運賃の値上げは認めるべきでしょう”

A3“・・・他にはどう思いますか?” B2“ダンボールや用紙代も値上がりが考えれらますね”

A4“・・・”

このように、Aさんは原材料費の高騰というその事象について議論したいのではなく、それによる対策論やその先の建設的な意見を求めいる事がA1の短い会話の中から判るはずですが、Bさんの回答は“原材料費の高騰…”と部分的な箇所に対して、自らの考えを述べています。

このまま、ABが会話をしてもチグハグなやり取りとなり、いつしかBさんは苛立ちを感じる事となりそうです。

会話の概念化とは、A1の問いに対しての意味をそのあらましを考えてまとめる 事となりますので、Bさんのような方は人の話しを最後まで聞かないタイプか、 自分の考えを一方的に話したがるタイプだと推測されます。

このBさんタイプの方は、最後まで他人の話しを聞き、相手の立場になって何をこちらに伝えたいのかを、胸に刻む事が肝要です。

会話を長続きさせるには、相手の真意を理解しようという思いの豊かさが双方にとって気持のいい会話となるものではないでしょうか。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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