第48回 SLAが変える不確実性下における信頼関係の構築 ~SLAの導入事例その3~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今回は、『受注締切時間』についてのSLAを考案します。

受注締切時間は販売を行う営業部と商品を出荷する物流部が、リアルタイムに連携し顧客へ最大量の商品供給を適切に行うためのルールとも言えます。

受注締切時間について各部の役割は以下の通りとなります。

(A)営業部 = より多くの受注をする事が、企業の利益に貢献する
(B)物流部 = 締切以内の受注分を、無事出荷する事が企業に貢献する

営業部と物流部はその目的についての方向性は一致しています。

しかし、より多くの受注が成果である営業部と、受注済分の商品を決められたルールの中で出荷し顧客へ届けるまでが責務である物流部では、時間に関しての相反関係となります。

相反される時間の関係

(A)営業部 = できるだけ遅くまで受注して欲しい
(B)物流部 = できるだけ早く締切として作業(出荷)を終えたい

この両者をルールによって適正な活動に導くことが重要な取り決めであり、 顧客にたいするサービスレベルの可視化であります。

12時迄の受注分を当日配送するC社、と13時迄の締切時間が当日配送 であるD社では、D社が販売を行う上で優位な立場となります。

この販売における競争優位な体制を、ロジスティクス面でサポートしていくことが物流部の役割であり、企業への貢献部門活動となります。

時折、物流部はコストセンターと言われる見方もありますが、けっしてコストセンターではありません。

適切な部門活動を行う事によりとても重要なプロフィットセンターへと位置づけられます。

コストダウンと併せて、サービスレベルの向上を実現するシクミがSLAの導入目的となります。

次号は、コストダウンと品質の向上を両立させる SLA について具体例をもとに検証してみます。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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