第154回 ロジスティクスとインセンティブ(1)~日本型3PLのモデル~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

2009年度第一四半期(4月−6月)が終了しましたが、国内外における経済不況は今だ回復の兆しが数値化されていないようです。

このような景況下において、ロジスティクスに対するより視点は厳しくなり、今期中において過大な低減圧力が要求されるものと思われます。

ロジスティクスを「プロフィット」機能と定めている荷主企業は少なく、多くの荷主企業は「コストセンター」との概念を持っています。

それら多くの経営幹部は、自社の業務改善を前提としたコスト削減よりも、前年対比を基準とした、マイナス要求を大胆な数値で求めます。

3PL事業者にとっては、正に試金石と成りえる事態であります。

しかし、全ての3PL事業者が苦難の道を歩むのではありません。

その理由として、『日本型3PL』にはいくつかの「3PLモデル」があるからです。

■日本型3PLのモデル

(1)コーディネート型3PL・・・キックオフ〜安定化までは、”価値大”
(2)元請型3PL・・・自社アセット型のみ”価値大”
(3)バリュー型3PL・・・継続性に”価値大”

これら(1)〜(3)の「3PLモデル」分類は、提供するサービスの業態によって分けられた事業モデルを視点としています。

小職の認識では、(1)コーディネート型3PLと(2)元請型3PLが最も多く、提供している価値の内容は大きく相違しています。

それぞれ独自性のある価値を荷主企業及びサプライチェーン全体へ提供している訳ですが、「価値提供の継続性」と「価値基準の継続性」に関して(3)バリュー型3PLとはまた視点が違う業態なのです。

今シリーズでは、これら3パターンに分類した「日本型3PL」について考察してみます。

次号に続く。 

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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