第100回 物流における下請法

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今号は「物流特殊指定」のおそれのある行為取引についてよくあるケース
について抜粋します。

読者の皆様で荷主、物流会社ともに何か心当たりはないでしょうか?

(1)買いたたき行為
・荷主側の都合により、通常支払対価が低く定められた。
・大口発注(多量)を前提とした見積り単価を、通常もしくは少量の発注で適用された。
・合理的な理由もなく他の物流事業者よりも低く料金が定められた。


(2)購入・利用強制行為
・合理的な理由がなく、荷主(物流子会社含む)から特定の物品やサービスなどを購入・利用させられた。
 ※1この場合の物品とは、燃料・タイヤなど運送に関わる物と地方の特産品や荷主が製作した記念品なども含む
 ※2この場合のサービスとは、保険や車検、リース取引やカード会員など)

(3)不当な給付内容の変更及びやり直し行為
・契約内容にない運送や付帯作業などを追加され、その追加料金が加算されなかった

(4)減額行為
・支払時に当初取り決めにない値引きや協力金を一方的に値引きされた。
※提出された請求金額より一定割合の支払時値引きなど

(5)情報提供に対する報復措置
・上記のような禁止行為を荷主にされたことを公正取引委員会に通報したために取引を停止された。

(6)要求拒否に対する報復措置
・何ら合理性の無い不当な要求を拒否した後に取引を停止された

これらの行為は荷主及び物流子会社(荷主の議決権が過半数)から、物流事業会社(3PL事業会社含む)に成された行為となります。

取引上の関係で、弱者に対してのこれらの行為は当然容認できるものではないのですが、公正取引委員会への通報となる前に、本来は当事者間での協議があるべきです。

少なくとも、荷主と物流会社間でのコミュニケーションが十分であったなら、行政機関の仲裁が入る事なく問題解決となるものではと思います。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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