2018年の海運市場動向

船井総研ロジ

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3月も終わりに近づき2018年度の海上運賃交渉も終盤に入りました。
既に全航路で妥結した荷主もおりますが、これから4月にかけて北米航路の交渉を残す荷主も多いのではないでしょうか。

そこで今回は来期のコンテナ船運賃交渉の最新状況のアップデートをすると共に、4月以降の市況を考えてみたいと思います。

2018年の海運市場動向(2017年時点予測)を見る前に

最新状況のアップデートの前にまずは当社が以前来期の市況をどう見ていたかをご紹介いたします。

昨年9月の記事(「来期の海運コンテナ運賃市況を読む」)では需給バランス並びに当時の短期市況の小康状態から来期は現行契約レベル維持か若干の下方修正が入ると予測しました。

一方、昨年11月と1月に開催しました当社セミナーでは、日本船社のコンテナ船部門統合後の動きや活況な荷動きに後押しされ11月~1月に立て続けに値上げが起こった短期市況を鑑み、来期は若干の値上げか現行レベル維持と予測しポジションを変更しました。

さて結果はどうだったでしょうか?

当社では、2月~3月初旬に掛けてこれまで支援させて頂いたお客様や当社主催セミナーにご参加頂いたお客様へ、運賃交渉状況につきインタビューを実施しました。

当時は妥結に至っておらず、現在最終結果を調査中ではございますが、主要航路である日本出し欧州向け・日本出しアジア向けの年間運賃は当社予想通り若干の値上げもしくは現状維持レベルに落ち着いた模様です。

当然、昨年どのレベルで値決めしたかによりますので一概には言えませんが、少なくとも極端な値上げや値下げはなかったと言えると思います。

もう一つの主要航路である北米航路も、これから最終局面に入りますが、各船社とも値上げ提示が出ているようです。

但し閑散期に突入し荷動きは鈍化、足元の短期市況も下落基調であり、特に競合が激しい北米西岸(ロサンゼルス)向けの交渉は日本市場でも一転する可能性があります。

2018年4月以降の運賃市況

続きまして、4月以降の運賃市況がどうなっていくのか考えてみたいと思います。

まずは荷動きですが昨年は主要な欧米向けが4-5%増で史上最高の荷動き、アジア域内航路も1.7%増を記録しました(日本 海事センター調べ)。

2018年も出だしは好調であり、各国の保護主義政策の影響は懸念されるものの、概ね4-5%程度の成長が見込まれております。

次に供給面ですが、今年も1.8万~2万TEU型といった大型船の投入が相次ぐ一方、今後厳格化が進む環境規制に不適合な船の解撤などもあり、それらを踏まえれば、約4%の供給増が見込まれているようです(アルファライナー調べ)。

追加された船腹がどの航路に配船されるかなど考慮すべき要素はありますが、ここでは単純に荷動きと船腹の増加率だけを注目しますと、どちらもおよそ4%増となり需給バランスは昨年と比べ大きく変わらないことになります。

仮に需給バランスが大きく変わらなければ、中国発の短期市況も昨年同様あまり大きな動きがない状況が続くのではないでしょうか。

今回は弊社で調査した来期の運賃交渉状況のアップデートと4月以降の市況を予測しました。

当社ではお客様のアクションが遅れることが無いよう引き続き市場動向を注視して参ります。

(中国発短期市況推移-Shanghai Freight Index)
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