物流管理と輸配送オペレーション|プロが解説!物流改善の実践手法
【無料DL】物流業界の最重要課題への取組み状況 調査レポート
前号に続けて、物流マネジネントの在り方をお伝えします。
前号の中で、現代は第三次大競争時代へと突入していることをお伝えしました。
今は新型コロナウイルスが世界的な規模で蔓延したことによって急ブレーキがかかった状態ではありますが、2024年問題を目前に控え、2023年以降は更に激変することが予想されます。
物流ディスラプション
物流戦略を策定するうえでは、現代の物流環境を読み解くことが肝要です。
2017年以降、想像だにしなかった“新型コロナウイルス”が蔓延し、2019年まで日本の物流環境はディスラプション(創造的破壊)が起こっていました。
輸送事業者からの運賃改定プレッシャーによる攻守逆転現象です。
これまでは、荷主が物流事業者を優位な立場で選択することが当たり前でした。
しかし、2017年以降は物流事業者が荷主を選ぶ時代へと真逆に変化しています。特に輸送面の取引構造は大きく変わりました。
懸念すべき“輸送難民化”
いつでも誰でも運べる標準化された輸配送オペレーション(図表2)にはまだ猶予が残されています。
一方で、特殊なルールや取引成約のある荷主や、運びづらい商材、重い・大きい商材を扱っている荷主は、今後のあり方によっては“輸送難民化”する懸念があります。
例えば、ドライバーが自らフォークリフトの操縦を行って積み込みや荷降ろしをすることを自主荷役と言います。納品先において、所定の棚までドライバーが搬送し棚入れすることや、指定パレットへの積み替えを手作業で行うことなどです。
これまでは輸送サービスの一貫として行ってきたこれらの行為は非標準であり、今では有料の付帯作業として別料金対象となっています。
アフターコロナでは、一気にこれらの改善要求や別料金請求が問題として顕在化します。
なぜドライバー不足なのか
いまや人手不足は社会的レベルの事象です。コロナ問題で落ち着いてはいますが、来年あたりから政府がテコ入れしているインバウンド消費が戻る局面で再発します。
なかでもドライバー職の不人気は群を抜いた状態であり、2019年度(コロナ前年)の有効求人倍率は月によって3倍を上回っていました。
では、なぜドライバー職が不人気となったのでしょうか?
昭和の時代は、男子小学生の将来なりたい職業ランキングのトップ10にドライバーはあった記憶があります。
次号は令和では不人気職業となってしまったドライバー職について考察します。
次号へ続く…
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