物流管理の仕事内容を解説|プロが解説!物流改善の実践手法

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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2020年から始まった新型コロナウイルス感染症は、世界中を混乱に陥れ現在もいまだ進化しながら猛威が続いています。その影響を受け、日本国内の物流における環境も大きく変化しました。

物流マネジネントの在り方

物流を総括する部門として、また物流を保守運営する部門としての最適なマネジメントの在り方とその手法をお伝えします。

物流とは、経済活動において製品や資材・原材料などの貨物を円滑にかつ安定的に保管・荷役・輸送するプロセスの総称です。そのマネジメント手法は、以下の5項目に区分されます。

  • ①物流戦略策定
  • ②オペレーション管理
  • ③コスト管理
  • ④物流事業者管理
  • ⑤改善活動

アフターコロナの物流業界時流について

物流戦略は自社の経営戦略と直結しており、その時代における社会環境と時流を反映した中期的な物流計画となります。

アフターコロナにおける物流環境は、景気復興と併せてドライバー不足が加速し、輸配送費の上昇倉庫・物流センター作業スタッフ不足による荷役費上昇など、コロナ禍では潜在化していた課題が一気に顕在化します。荷主の物流部門は、物流におけるDX化推進も急務であり、今後5年から10年先のあるべき姿を見据えた戦略が求められます。

平成時代までの物流戦略は、同業他社と比較して自社の物流サービスが競争優位となることが求められました。具体的には、以下3点です。

  • ①ローコスト・オペレーション
  • ②短納期配送
  • ③引き当て欠品ゼロ

これらを実現するために多くの企業が立てた物流戦略は、

  • ①拠点集約
  • ②定期的な物流コンペによるコスト削減
  • ③現場改善によるコスト削減

とコストを重視した戦略でした。

しかし、これら『ローコスト・短納期・欠品ゼロ』を荷主が続けることで、結果的には物流事業者の成長を阻害し、長期にわたる“物流大競争時代”を作り上げてしまいました。

国内の物流事業者は、2020年からのコロナ禍で物量が減少し、世界的な原油高と急激な円安において強烈な経営ダメージを受けているのが現在です。

第三次大競争時代のツケ

なぜ物流事業者の成長を阻害したのか。それは物流事業者が荷主の過度な要求に応えるために熾烈な価格競争を繰り広げてしまい、得られた利益を将来における投資に資金が回らなかったことによります。

物流事業者の本来あるべき姿は、 

  • ①省人化投資(デジタル化や脱労働集約モデルの構築)
  • ②社内環境整備(従業員の賃金ベースアップや福利厚生などの待遇改善、働き方改革)

と得られた利潤で将来投資が実現できていれば、ドライバー不足などの社会問題も和らいでいた可能性は高いと思います。

今後、そのツケが荷主へ降りかかります。

「低運賃」「付帯作業多い」「長時間労働」などが該当する荷主は、近い将来【輸送難民化】するリスクが日々高まっています。

次号へ続く…

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