働き方改革「時間外労働の上限規制」~休憩時間と手待ち時間~

船井総研ロジ

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前回お伝えした年休5日取得と同様に、働き方改革のもう一つの大きな柱は
「時間外労働の上限規制」です。

2019年4月から順次導入が始まっていますが、自動車運転業・建設業・医師といった業務の特性上、長時間労働になりやすく、是正に時間がかかってしまう業種は、その適用が猶予されています。自動車運転業務については、2024年4月より罰則付き規制の対象となり、適用後は年960時間となることが予定されています。

その対策には、やはり労働時間の適正な管理が欠かせません。

始業時間と終業時間は、すでに管理できている事業者様も多いと思いますが、休憩時間の管理が難しいのではないでしょうか。運送業は、荷主都合の荷待ち時間や、配車の関係で空き時間が生まれやすく、それを「休憩時間」とするのか「手待ち時間(待機時間)」とするのか、会社によっても対応が分かれるところです。ここで、関連する法令・行政通達を確認してみましょう。

●休憩時間

使用者は、休憩時間を自由に利用させなければならない。(労基法34条)

●手待ち時間

トラック運転手に貨物の積込を行わせることとし、その貨物が持ち込まれるのを待機する意味で出発時刻の数時間前に出勤を命じている場合(いわゆる手待ち時間)、全く労働の提供はなくとも、一定の場所に拘束されている時間は労働時間と解すべきである。
(行政通達 昭33.10.11 基収6286号)。

一方で、「貨物の到着の発着時刻が指定されている場合において、トラック運転手がその貨物を待つために勤務時間中に労働から解放される手あき時間が生ずるため、その時間中に休憩時間を1時間設けている場合にあって、当該時間について労働者が自由に利用することができる時間」(昭39.10.6基収6051号)は労働時間ではない(休憩時間とできる)とされてます。

以上から、休憩か手待ちか判断する場合、「その時間を自由に利用することができるか」が基準となり、具体的には「駐車して車両から離れることができるか」「荷待ちや車両の監視といった業務から完全に開放されているか」などが考えられます。

まずは、コース毎に勤務実態を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。
その上で、休憩に関するルールを明確にし、周知・運営することが労務トラブルの防止にもつながります。

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