第63回 狙われる物流企業銘柄(2)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

外資系のファンドが狙う、上場物流関連銘柄としては以下5点の要素が重要な投資基準として、考えれます。

(1)今後の成長性が見込まれる
(2)業界再編のコア事業主となれる
(3)グローバル化が進んでいる、または戦略の重点となっている
(4)強みが明確であり、収益構造がはっきりしている
(5)経営の革新性、スピード感が感じられる

これらの5項目を全て満たしている企業は、多くはないでしょう。

そこで、 満たしてはいないが、今後の経営手法によっては満たされる可能性がある企業を見出す事が、投資の視点となります。

海外の投資ファンドで、日本の物流業へCEOもしくは、COOクラス を派遣できる組織体は多くはありません。

最近の筆者への相談内容で、 ロジスティクスが理解できていて且つ経営経験のあるトップ候補はいないか?と言った、とても無茶な相談があります。

判り易く言うと、物流業の経営戦略にグローバルな視点を持ち現場とSCM 理論を熟知し、経営者としての実績のある日本人を紹介して欲しいと言うものです。

投資ファンドが、物流関連銘柄に投資を実行し、アクティビストとして経営にも助言や参画をしてくる手法は、日本型運輸・陸運のセクターには困難だと理解している表れでもあります。

単一企業での投資回収には、セクターとしての期待値が低いので、ひとつの 中核企業を持って業界再編やM&Aによる肥大化を狙っているからです。

もし、銀行や生保・損保、製造業や他のサービス業のように企業文化の違いを経営手法によって求心し、短期間(この場合1年~3年)で企業価値の増大を図る事例が出てくると、業界再編は一気に加速される事が予想されます。

今後の物流業界再編の重要な役割を担っているのは、各メーカーなどに 系列かされている物流子会社の動向ではないでしょうか。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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