赤峰誠司の物流魂 2020.04.06

2020年物流業界時流【デジタル競争時代の幕開け】 (3)絶体絶命!危険物物流と冷凍食品物流

コロナウィルスの拡散はまだまだ続きそうですね。

リモート勤務や会議・面談の自粛など各社通常業務が出来ない事態において、物流の安定化とチャネル維持は極めて難しいと思います。

今号も引き続き、2020年物流時流予測の7つのキーワードの中で、4.絶体絶命!危険物物流と冷凍食品物流についてお伝えします。

冷凍倉庫ひっ迫の原因と将来予測

昨年の春先に中国において、アフリカ豚コレラ(ASF)が蔓延し、豚肉価格が急上昇しました。

これにより、「中国産の豚肉は使えないので、代替品はヨーロッパだ!」とヨーロッパ産の豚肉需要が高まる予測のもと、大量に買い付けられた欧州豚が日本へ輸入されました。

元々、欧州豚は日本の豚肉輸入量の3分の1程度を占めており、中でもデンマーク産やスペイン産が人気です。

この事象が全てではないと思いますが、昨年夏ぐらいから東京港・横浜港や大阪等で冷凍倉庫需要が一気に高まり、庫腹が不足する事態が発生しました。

各冷凍倉庫会社も、顧客ニーズを最大限の努力をもって対応していましたが、いかんせんキャパシティには限界があり、多くのデマレージ問題が勃発。

この状況が今でも続いている模様です。

※冷凍品は賞味期限管理が比較的緩やかなため、マイナス18度以下を保っていると約1年は保存が効きます。これは食品の化学反応がマイナス18度以下では抑えられることによりますが、完全に抑止できる訳ではありません。

その後、年末の販売不振やコロナウィルスの影響で、外食向けの業務用冷凍食品や原料が出荷出来ずに今に至っています。

今後、東京オリンピック・パラリンピック向けの海外食材が一旦延期とはなりましたが、現況から推測すると冷凍倉庫の庫腹はまだまだ厳しい状況だと思います。

小職の予想では今年いっぱいは、庫腹は空かないものと思います。

(参考:「冷凍倉庫の空き物件ご案内できます」)

危険物輸送の実態

次は危険物の物流に関して。

こちらも東京・中京・近畿の危険物倉庫は庫腹限界以上となっています。

理由は数年前の大規模物流センターにおける火災事故により、厳格に危険物が管理されていることによります。

輸送の関しても、一部の特積み(路線便)事業者が新規の危険物輸送を断っている事例が報告されています。

貸し切り便はともかく、少量・小口ロットや1トン以下の危険物輸送を専門とする運送会社はとても少なく、今後の法規制の強化によっては輸送難民化する懸念があります。

また、危険物輸送は手積み手降しがまだ多く残っている業界であり、ドライバーにも不人気な貨物です。

ドライバー不足の中、輸送業者も限られ、ドライバーに敬遠される危険物輸送は今まさに絶体絶命です。

危険物輸送は、路線会社が集荷拒否をする前に何らかの対策を講じないと、今以上に深刻な事態が予想されます。危険物を専門とした共同配送網を早く構築したいと思っています。

次回以降も残りの時流キーワードについて考察します。

Funai物流オープンカレッジ

概要
市場価格を知りたい!本の知識より、もっと実践的なノウハウが知りたい!社内に物流に強い人材を育成したい!そんな物流に関する悩みを持つすべての人のための物流特化型セミナー「Funai物流オープンカレッジ」
詳細
https://www.f-logi.com/ninushi/seminar/funai-butsuryu-open-college/

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

その他の記事を読むArrow Icon