ロジスティクスにおける、ESG経営の第一歩は共同〇〇?

佐々木優芽

Pen Iconこの記事の執筆者

佐々木 優芽

船井総研ロジ株式会社
ロジスティクスコンサルティング部

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昨今、ESG経営実行の重要性が高まる中、ロジスティクスにおけるESG実行の取組の一つとして、共同配送・共同保管に取り組む企業が増えています。共同配送とは、納品先もしくは納品エリアが共通の荷主企業が、一台のトラックに各社の荷物を積み合わせて輸送することです。また、共同保管とは、複数の荷主企業が同じ倉庫に共同で商品を保管することです。

では、共同配送・共同保管に取り組むことでどのようなメリットがあるのでしょうか?今回は事例と合わせて解説していきます。

共同配送・共同保管のメリット

共同配送・共同保管による一番のメリットは、CO₂排出量の削減です。各所で行われる荷物の配送や倉庫運営を集約することで、トラック配送や倉庫の電力使用によるCO₂排出量を抑えることができます。

また、エリアが共通する得意先の荷物を積み合わせることにより、トラックの積載率が上がり効率よく配送できます。例えば、積載率50%のトラックが3台で配送する場合、荷物の積み合わせにより積載率を75%にできれば、トラックは2台で済み、その分の燃料費や人件費を削減できます。さらに受け取る側にとっても、荷物の集約はバラバラと届くより手間が省けるという点でメリットです。

その他、共同配送・共同保管により、トラック車両や倉庫の稼働率、庫内生産性の向上が期待できます。

共同配送・共同保管の取り組み事例

ここで、共同配送・共同保管の事例をご紹介します。今回ご紹介するのは、国土交通省より平成30年グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰受賞事業者に選出されたアステラス製薬株式会社様の取り組みです。

アステラス製薬株式会社を含む医薬品業界のメーカー4社は、北海道において共同で物流センターを運営、共同配送・共同保管を実施しています。この取り組みにより、輸送では年間で158t-CO₂、倉庫の電力使用では年間83t-CO₂を削減しています。全体での削減量は158t-CO₂となり、削減率はなんと58.8%です。さらに、劇物や薬剤など特殊な荷扱いが必要となる医薬品業界において、荷役や在庫管理を共同で行うことにより、庫内の生産性が向上したという効果が得られています。

<共同配送・共同保管のイメージ図>

ESG経営の第一歩は共同○○?_船井総研ロジ

出典:国土交通省「平成30年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰受賞事業」より船井総研ロジ作成

共同配送・共同保管では、CO₂排出量の削減に寄与することができます。それだけでなく、配送の効率化、トラックや倉庫の稼働率向上も期待できるでしょう。共同配送・共同保管を通してESG経営を実行し、環境にやさしい物流を実現しませんか。

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