物流コンペの全体像・スケジュールを把握する

withコロナが企業にも浸透し、2020年と比較すると企業活動が活発になりつつあるように見受けられます。今回は、日々いただく相談テーマの中から、物流コンペについて解説します。

物流コンペのスケジュール

物流コンペ、つまり、物流委託先の選定は、それほど頻繁に行われるものではありません。しかし、物流コンペは今後の5年・10年を見据えた物流パートナーを選定する非常に重要なものです。

適切な順序・内容・スケジュールに沿って行わなければ、最適なパートナーを選定することはできません。

当社では、物流コンペの基本的な順序・スケジュールを以下のように考えています。

物流コンペの基本スケジュール

現状分析～RFP※の作成およびロングリストの作成（約2ヶ月）
1次選考（約1カ月半）
2次選考～最終決定（約2ヶ月）

※RFP（Request for Proposal：要件定義書）
　≫ RFPの作成手法についてはコチラ

上記のスケジュールは、物流拠点の規模により若干異なりますが、最低でも約5～6ヶ月は要すると考えてください。そのため、委託先の決定から立ち上げまでの期間（新拠点の稼働日から逆算）を考慮すると、約1年半～2年前に動き始めることが望ましいです。

それでは、段階ごとの具体的な行動を見ていきましょう。

現状分析（選定6ヶ月前～）

現状の自社物流体制を定量・定性の両面から把握分析します。現状分析はRFPの作成や、物流企業からの提案評価をする際に必要不可欠となる非常に重要な実施事項です。詳細部分までの分析や正確性が求められます。

RFP作成・ロングリスト作成（選定5ヶ月前～）

RFP作成は物流企業からの提案の基礎になります。数字や文字の羅列だけでなく図やイラストなども活用し、分かりやすいRFP作成を意識しましょう。

ロングリスト作成は、自社の求めるポイント（実績・コスト・品質等）に応じて物流企業をリストアップします。ロングリスト作成の際には、RFI※などを用い、物流企業へ事前情報の提供を依頼することもあります。

※RFI（Request For Information：情報提供依頼書）

一次選考会（選定3ヶ月前～）

一次選考ではRFP・各種概算データを基礎情報として提示し、提案を依頼します。各社の提案を評価し、3社程度に絞り込んで二次選考に進んでいただくことが望ましいです。

二次選考会（選定2ヶ月前～）

二次選考では一次選考にて選考した数社に対し、詳細データ提示・現場視察を実施し、本提案を依頼します。提案資料の評価だけでなく、物流企業と個別対応の時間を設け、両社の齟齬を解消していきます。

最終決定

各社提案を同一項目・基準にて評価し、定量面と定性面から判断します。コストだけでなく、物流コンペの目的や自社の重要ポイントに沿って、評価・最終判断を下すことが必要になります。

≫ 物流コンペの評価手法についてはコチラ

物流コンペで最適なパートナーを見つけるために

以上が物流コンペの基本的なスケジュールです。

物流コンペは長期間にわたり、臨機応変な対応が求められる難易度の高い取り組みです。また、商品をお客さんに届ける「物流」という重要な役割を他社に委ねる点を見ても、不備があった時の経営に与えるインパクトも計り知れません。立ち上げまで、選定した物流企業とは綿密に打ち合わせを行い、足並みを揃えることが不可欠です。

当社は、物流コンペの実行を支援させていただいております。毎年、数多くの物流コンペを経験しているからこそ得られる実相場・ノウハウを活かし、貴社に最適な進め方を提案し、ともに実行を支援いたします。ご興味がございましたらお気軽にご連絡ください。

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