第72回 イニシャルコストは誰が負担する?

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

新規の物流センターを立ち上げるには、多くの労力と費用が発生します。

最近の量販店センターやコンビニセンターは、多店舗配送であったり、 カテゴリー集約であったりと、大型化が顕著に進んでいます。

例えば、配送車両が50台、センタースタッフが100名程度のセンターは中規模程度であり、大型センターともなるとその倍程度の車両や業務スタッフがが就業します。

仮に、100名の業務スタッフを新規採用するとなると、いったいどのくらいの採用に関わる労力・コストがかかるのでしょうか?

少子高齢化、労働力不足時代へ突入し、多くの事業所が様々な労働力を求めています。

物流センターにおいても、短時間労働や長時間労働、昼勤もあれば夜勤 もあります。

就業時間や就業形態に関わる多様化。

更には、事務スタッフもあれば仕分作業スタッフなどの現場作業もあります。

雇用形態も正社員からパートタイマーまで、その管理には複雑さを極め、コスト増を理解しながらも、人材派遣スタッフへの依頼は絶えません。

人材派遣業の伸長も目覚しいものがあり、特に軽作業と言われる仕分要因やピッキングスタッフは顕著に増加しています。

また、業務請負形態で事務作業から各種構内作業全てのセンター作業全域を請け負う企業も増進しています。

これらの形態が何故、荷主企業や物流企業などの物流作業委託者サイド から多くの指示を得ているのでしょうか。

理由としては、「雇用に関わる募集コストが負担である」、「募集をかけても 思うように人が集まらない」など募集に関わるものと、「勤怠管理などの管理 業務に関わるコストや労力が負担になる」など『募集と管理』に要約されます。

また、『募集と管理』を実施する上でコストの負担も大きな要因であります。

これら業務を開始する前のイニシャルコストは、明確にプレ経費として予算化するべきものであり、通常の業務経費の中ではその負担を吸収できない程増大 しております。

近年の事例では、この物流センター開設に伴うイニシャルコストを荷主と物流企業側で負担割合を話し合い、通常業務とは切り離した運営設計を行っています。

次号は、イニシャルコストの負担事例をご紹介します。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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