第69回 失敗しない為のアウトソーシング(3)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

物流アウトソーシングの失敗事例は数多く存在します。

当初より、失敗が見えていた「初期段階における不具合型」やアウトソーシング後、徐々に見えてくる「運用後の不具合型」または、アウトソーシングの実行後1年〜3年目を目安に解ってくる「将来性の見えない関係型」などがあります。

物流のアウトソーシングは、荷主企業と受託する物流企業とは運命共同体であり、一方の失敗は残り片方の失敗ともなります。

ひと度、業務を移管した後に「これは失敗だった!」と判明しても、時既に遅しであり、簡単には取り返しがつかない事となります。

では、どのようにすれば失敗しない成功するアウトソーソングを実現出来るでしょうか。

当然の事ながら、荷主企業と物流企業間での入念な打ち合わせとそれぞれの持つ情報の開示が必要です。

特に、初めての物流アウトソーシングの場合は、荷主側にて失敗しないための特別な配慮や想定されるリスクの 洗い出しが必要となります。

荷主企業視点によるアウトソーシングのリスクとは?

(1)物流企業の計画に日程的な無理はないか?
(2)物量の波動が、移転前後に大きく変動する事はないか?
(3)情報システムの導入に当たっての不備はないか?
(4)要員計画が適正であり、且つ生産性に妥当性はあるか?
(5)立ち上げ時の応援体制は荷主・物流ともに整っているか?  

などが、考えられます。

特に、「初期段階における不具合型」の場合は、 情報システムや要員計画が肝要です。

荷主企業が受託する物流企業の立場も考えて、無理な計画や生産性となっていないかを検証し、十分な判断の基でキックオフを向かえるべきでしょう。

「安心」や「品質」は、ほんの小さなきっかけで壊れていきます。。

一度ほころんでしまった「信用」は簡単には取り戻す事も出来ず、その後大きな疑惑となり、猜疑心のある関係と成る可能性もあります。

全てのリスクを双方で考えて、そのリスクについての対処方を想定しておく 事こそが、失敗させないための手法です。

よく、「想定の範囲内」などとも言いますが、まさにそうであればまさかの事態が発生しても、難なく対処できるはずです。

移転時・作業開始時・運用の安定時・品質改善時など、あらゆるリスクを 時系列で、将来におけるまで想定しておくアウトソーソングこそが、成功の 事例つくりとなります。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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