第61回 部門再編によるムダの排除

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

物流費のコストダウンには、多くの手法が用いられます。

第一段階では、直接的な単価の見直しや契約構造の見直しを行う事によってその効果を求めます。

次に、拠点の再配置や輸送モードの見直しによる削減策を図ります。

第三段階として、在庫に関わるムダを無くす「在庫圧縮」や「通過型方式」 など、その企業の物流に関わるシクミを見直す事によって、削減を深耕します。

この第三段階を終えると、多くの企業は安心して物流費のコストダウンは 完成したと思っているところが多いようです。

では、第四段階といったものは無いのでしょうか?

答えは「あります。」

多くの企業が取り残している、企業内での 業務プロセスのムダや、業務構造のムダが物流費のムダを作っている事が 多々見受けられます。

そして、第五段階として「SCMへの取り組み」と物流改善のプロセスは進んで行きます。

SCMを実現するには、多くのステークホルダーと協業体制を構築しなければなりませんが、自社の業務構造が最適化されていない企業はSCMへの取り組みも、効率化されないものです。

(1)単価の見直し・取引形態の見直し
(2)拠点の再考・輸配送モードの見直し
(3)在庫の削減化
(4)業務プロセス・業務構造の見直し
(5)SCMへの取り組み  

販売部門・調達部門(製造部門)・物流部門・情報システム部門など社内の 各部門が有機的に関連し、情報の共有がリアルに更新される企業文化の構築こそが、第四段階であります。

最近の事例として、某大手メーカーA社は「営業本部」を撤廃致しました。

この営業本部の役割を、業務プロセス毎に調査すると「押し込み販売」の総本山だった事が判明したからです。

「本部」と言う聖域的な部門は、一般営業所と比べて多くの予算と力を持ってとてつもない、ムダを永い企業歴史の中で繰り広げていました。

「押し込み販売」は、製品のムダ・返品のムダ・物流のムダ・事務のムダと多くのムダを作ります。

この事に気づいて、ムダの総本山であった営業本部 を廃止したA社は、経営センスのある決断だったと感じました。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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