第290回 2016年は”丙申(ひのえさる)”の年(8)〜 評価基準策定 その5 〜

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

2020年、物流業界は深刻な人手不足に直面する!

この年は、言わずと知れた東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。

首都圏においては、ホテル産業・外食産業・小売業・その他サービス業など、ありとあらゆる産業が瞬間的な労働力を求めることになります。

まず考えられるのはアルバイト・パートタイマーなどの「時給高騰」。

筆者の勝手な推測ですが、深夜の小売店や外食産業のアルバイトは時給1,800円〜2,000円ぐらいを予想します。

このアルバイト時給相場は瞬間的な現象であり、東京オリンピック・パラリンピックが閉幕すると下落傾向になるかもしれませんが、人手確保の観点からすると、ある程度前倒しでアルバイト時給相場は上昇することが想像されます。

さて、その影響を大きく受けるのが”物流産業”ではないでしょうか?

物流センターのパートスタッフの時給が@2,000円超となった場合、現行の荷役料金にどのような影響を及ぼすでしょうか?

このテーマは皆さんの関心も非常に高いものと推測されるので、後日改めて弊社Webコンテンツにある”ロジスティクス・インサイト⇒ https://logiiiii.f-logi.com/series_cat/logisticsopinion/ でレビューしたいと思います。

本編は引き続き、荷主企業の物流オペレーションに対する”評価基準策定”がテーマです。

物流委託先(アウトソーシング先)を正しく客観的に評価するための「定性評価基準」を考察します。

今号は【定性評価モデル】における”配送管理力”の内容をレビューします。

物流センターに関わる配送管理は、以下2つの区分に分けられます。

(1)拠点間輸送(在庫の転送)
(2)顧客配送

(1)は、東北センターに保管している在庫品を関東センターに移管するなど、拠点to拠点の輸送となり、コスト区分においては「社内物流費」に該当します。

輸送モードは「トラックチャーター便」「JRコンテナ便」「内航海運便」「路線便」などに分類され、それぞれの輸送モードによってコスト水準は異なります。

比較的大量輸送が多い(1)拠点間輸送ですが、それぞれの輸送モードによって、提供されるリードタイムやサービスレベルに違いがあります。

管理項目としては、定量的に評価が可能な「トン当り運賃」「トンキロ(t/km)当り運賃」「事故率」「延着率」「積載率」などが挙げられます。

定性的に評価をしなくてはならない項目は「ブッキング率」「クレーム率」「翌日カバー率」などが挙げられます。

いずれも、既存の情報システムでは数値管理されていない内容ではないでしょうか。

次回は(2)顧客配送に関する管理項目を考察します。

3PLへ物流アウトソーシングを実行している荷主企業は、提供されている物流サービスの内容が適正か否か、正しく評価する手法を確立する必要があります。

7月20日に開催されるfunai物流オープンカレッジ第九回は、まさにこのテーマである「3PLマネジメント」。
https://www.f-logi.com/ninushi/seminar/

ゲストスピーカーに国内大手3PLの株式会社日立物流さんをお迎えして、日立物流の差別化戦略のレビューや小職を交えたパネルディスカッションを実施致します。

物流業界において、成長著しい日立物流の開発営業部隊へズバリと成功の秘訣を質問したいと思っています。

今回は席数を限定と致しますので、お申込みはお早めにどうぞ。

次号に続く。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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