第208回 ポスト3PLの時代(6)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

前号に続き、Web通信販売企業A氏から相談された「物流コンペ」の模様を紹介します。

”連絡を受けたA氏の顔は、見る見る蒼白となっていった”

その理由は、既存委託先(物流アウトソーシング先)へ外部コンサルタントの視察を打診した結果、

「当社は業務請負契約の中で貴社の物流センターを運営しているので、他社はセンター内 に立ち入ることはできません!」

「したがって、外部コンサルタントの視察はお断りします!」

といった思ってもみない返答が返ってきたからです。

当社の担当コンサルタントBは、

「このケースは全く無いわけではありません。過去にも経験していますので、荷主サイドの 情報を元に現状を整理しましょう」

とあまり気にする素振りも見せずにA氏を労わり、今後 の調査に必要なインタビュー部門の名称・資料・データを適格にホワイトボードへ書き示した。

コンサルタントBの落ち着いた素振りに安心したA氏は、早速社内関連部門へ現状整理のためのインタビューを申し込み、その後1週間のスケジュールで社内の定性情報を把握することができた。

この時にコンサルタントBが提示したインタビュー該当者は以下の通り。

■経営幹部

■経営企画部門

■情報システム部門

■カスタマーサービス部門

■バイヤー部門

■営業部門

■物流部門(A氏) コンサルタントBは、各部門1名〜2名のインタビューと並行して、出荷実績や在庫実績などのデータを受領し各種の定量分析を行った。

その約1週間後にコンサルタントBからA氏へ現状分析についての報告書が出来上がったと連絡があり、今回の相談を行った経営幹部へ報告を行った。

A氏の胸中は、B氏は現場も見ずにどれほどまで当社の物流業務が理解できたのだろうか?

A氏ですら、自社の物流業務について全容を把握できていないこともあり、再び大きな不安を抱えたまま報告会を待つことになる。

次号に続く…。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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