第160回 ロジスティクスとインセンティブ(7)~ゲインシェアの管理項目~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

理想的な「3PLS(スペシャライズ)」の実現には、荷主企業と3PL事業者が共通の目的に向かって邁進し、成果として創出された物流改善効果(利益)を分かち合う協業体制が肝要です。

では、どのような効果が物流改善における「ゲインシェア」項目として実現可能かを考えてみます。

物流改善における荷主企業の利益としては大きく2種類に分類されます。

(1)直接利益
(2)間接利益

(1)直接利益とは、物流費(荷造運搬費)としての科目に仕分けられた管理項目が削減することによって実現する「コストダウン型」利益を指します。

①運賃のコストダウン・・・P/Lへのインパクト
②倉庫賃料のコストダウン・・・P/Lへのインパクト
③荷役料金、梱包費用、発送資材費のコストダウン・・・P/Lへのインパクト

(2)間接利益とは、非物流費であり改善活動によって実現するその他の効果(利益・圧縮)を指します。

①在庫圧縮による金利(減少)のコストダウン・・・P/Lへのインパクト
②在庫圧縮によるキャシュフローの改善・・・キャッシュフローへのインパクト
③在庫圧縮による流動資産の圧縮・・・B/Sへのインパクト
④物流管理人件費の削減・・・P/Lへのインパクト
⑤調達物流の改善による商品原価の削減・・・P/Lへのインパクト

前筆の項目は、数ある「物流改善KPI」の代表的な内容です。

それぞれの項目を更に細分化して、現状と目標値を数値化し、一定期間において評価のうえ、達成された効果金額を荷主企業と3PL事業者が分配するシクミが物流改善活動における「ゲインシェア」となります。

次号では、事例を用いてより具体的な物流改善活動における「ゲインシェア」モデルをお話しします。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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