第158回 ロジスティクスとインセンティブ(5)~3PLS(Specialize)の出現とその意義~

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

荷主企業にとっての3PL事業者とは、多くのメリットを提供してくれる極めて有効的なパートナーであります。

3PL事業者には、それぞれが提供する機能に特徴があります。

船井総研ロジでは、その際立った特徴を”Specialize/スペシャライズ”と位置付けており、一般的な国内モデルである「コーディネート型3PL」や「元請型3PL」とは区別して分類します。

『3PLS(3PL+Specialize/専門性の高い3PL提供)』と表現します。

■3PLSの代表的な例

(1)コンサルティング型3PLS・・・物流戦略の企画立案に特化・専門
(2)ファイナンス型3PLS・・・商流機能、金融機能に特化・専門性
(3)IT型3PLS・・・物流システム機能に特化・専門性
(4)改善型3PLS・・・業務改善機能に特化・専門性
(5)業種型3PL・・・一定の業種に特化・専門性

上記(1)〜(5)の専門性に特化した『3PLS』は、いずれもが前号から考察している「バリュー型3PL」と言えます。

「バリュー型3PL」の概念は、「継続的な改善活動や、顧客のメリットとなる提案・具現化活動による品質向上とコスト削減への貢献」であります。

■「バリュー型3PL」の果たすべきミッション

(1)継続的な活動
(2)企画立案の具現化
(3)荷主企業への貢献

荷主企業の分業施策により、物流業務の多くがアウトソーシングされ、その領域は拡大の一途であります。

しかし分業された業務は、客観的にみると常に交換可能な業務でもあり、一定期間での役割が終了すると継続性の可否判断が求められます。

従来の3PLは、顧客に代わって物流業務全般を請け負うことが提供サービスの中心でありました。

今後期待される3PLとはより専門性に特化し、明確な荷主企業への貢献、ひいては社会への貢献が求められます。

そのミッションとして、「価値ある企画立案を具現化し、継続的に荷主企業へ貢献する」ことが物流業界における競争優位な差別化戦略となります

次回は、さらに進化した『3PLS』の動向「ゲインシェアとインセンティブ」について考察を進めてみます。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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