第137回 荷主企業のリスク対策プログラム(2)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

荷主企業の物流アウトソーシングにおける管理リスクには、以下の6項目
が想定されます。
 
<1> 品質低下によるもの
<2> コストアップによるもの
<3> 流通形態の変化によるもの
<4> 商品形状の変化によるもの
<5> 物量の増減変化によるもの
<6> 委託先の突発的な取引停止によるもの

物流アウトソーシング(以下:物流OS)においての<1>品質低下とは、委託先物流企業の業務品質レベルが、委託当初に比べて低下することを想定します。

委託する物流業務は、輸配送・保管・荷役作業と3項目に分類されそれぞれの項目を更に細分化した内容で管理します。

例えば、「輸配送における品質管理項目」とするならば、

①リードタイムに関するもの
②誤納品に関するもの
③毀損・濡損・汚損などの商品事故に関するもの
④安全運行に関するもの
⑤環境対策に関するもの
⑥再委託(傭車)に関するもの
⑦顧客との対応に関するもの

などの項目を、判り易く管理するためには荷主企業・物流企業の両社にとって明確な管理指標を設定します。

その指標は、開始時と目指すべき将来と現在(測定時)を捉えることによって、時系列に進捗がわかることになります。

(A)業務開始時の指標
(B)目標指標
(C)月次指標(直近の測定結果)

例えば、「輸配送における品質管理」における「リードタイム」に関するものとして、

「拠点間輸送における延着率」を設定したとするならば、

(A)業務開始時 100PPM
(B)目標値    50PPM
(C)危険値   150PPM

とレベル毎の設定を行い、(C)危険値 に該当すると具体的にどのような対応(対策)を取るかまでを明確にフロー化する事が「リスク対策プログラム」となります。

プログラムが発動する為のトリガー(きっかけ)は、誰の視点からも明確となる数値にしておかないと、発動プログラムの是非に意見が分かれ、危険回避措置に遅れが生じ、二次災害へと発展する可能性があります。

次号に続く。 

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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