第136回 荷主企業のリスク対策プログラム(1)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

世界経済の見通しは、実質GDP成長率を2009年度(0.5%)2010年度(3%)と、IMF(国際通貨基金)より大幅な下方修正が発表されました。(1月28日)

日本における実質GDP成長率は、2009年度(−2.6%)、2010年度(0.6%)

この予想からも本年度の日本経済は極めて厳しいものとなり、危機的な状況は今しばらく続くことが想定されます。

昨年から社会問題となっている「派遣切り問題」も、物流オペレーションにはとても関係の近い問題です。

また、同様の事態として今後大きな問題となりつつある運送元請企業による下請運送会社の減便(契約停止)処置は、言い換えれば「傭車切り問題」として着実に増加しているものと思われます。

物流業務を、アウトソーシングしている企業にとっては、策定済みの物流戦略に今最も重要な項目を追加しなくてはなりません。

それは「アウトソーシングにおけるリスクマネジメント」であり、「リスク対策プログラム」の策定であります。

物流アウトソーシングには、内部環境変化及び外部環境変化などの多種多様なリスクが潜んでいます。

想定されるリスクの大項目としては、

<1> 品質低下によるもの
<2> コストアップによるもの
<3> 流通形態の変化によるもの
<4> 商品形状の変化によるもの
<5> 物量の増減変化によるもの
<6> 委託先の突発的な取引停止によるもの

これらの6項目を更に細部化し、自社の物流に影響を及ぼす事変を予め想定する事によってその対応策を講じることが「リスクマネジメント」となります。

「リスクマネジメント」には、「リスク」のレベルによって対応策も違いがあり、それらを段階的に適用する手順書が「リスク対策プログラム」となります。

次号からは、物流アウトソーシングに潜む各 <1>〜 <6>のリスク内容を考察していきます。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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