第120回 ハイレベルな物流現場を持続する7つのコツ(8)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

7つのコツ(その7)「インセンティブ」

物流契約においては、以下の3点が必要と思われます。

①基本契約書
②料金等に関する覚書
③SLA(サービス・レベル・アグリーメント)

日本では未だ多くの物流契約で、「SLA」の締結が成されていないケースが主流です。

「SLA」は本メルマガでも過去幾度となく取り上げていますが、まだまだ実態としては、マイナーな契約事項と思われます。

物流のアウトソーシングは、今後さらに進みその市場規模は年々拡大されるものでしょう。

アウトソーサーからすると、新しい仕事を獲得するよりも、利益の創出できる仕事の獲得が重視されます。

荷主企業も、最良の物流戦略で最善な物流オペレーションが展開できる事によって、自社の競争優位となり大きな利益貢献へとなります。

しかし、荷主企業の一方的な押しつけ型契約や、大量品を委託する事によって生じるバイイングパワーは今後そう永くは続かないと思われます。

契約両社が共にメリットを感じる物流契約は、その関係が売り手と買い手である以上、利益相反関係となり一般的には困難な場合が多いものです。

ただ、契約時はそのどちらかに利する部分が寄っていたとしても、将来の活動においてシェア(分配)が可能な契約は、その活動においてのベクトルが一致します。

作業改善や輸配送の改善など、永遠と物流の改善は続くものと思われますが、日々のオペレーションを、構築したシステムと同じようにルーチン化して取組めば、両社にとって大きな改善は望めません。

このように、物流をルーチンとして捉えるのでな無く、「改善の宝箱」と定め、契約両社が結果を求めて改善活動に取り組めた方が、より早期の結果は出やすいものと筆者は思います。

そこで、「SLA」は重要な指標となり、結果をシェアするためには欠かせないツールでもあります。

インセンティブは、日本の物流契約には馴染みも実績も薄いものと思われますが、どちらか一方だけが利する契約は、結果的に両社の繁栄とはならず、永続的な取引も困難となります。

改善の結果(効果)についてのみ分配できる「インセンディブ付契約」は今後の物流契約の主流となりうるのではないでしょうか。

最後に、「インセンティブ付契約」についてのご相談は筆者赤峰までお気軽にお問い合わせください。

ただし、契約書の詳細やサンプルについて送付希望に関しましては、ご希望にそいかねますのでご了承願います。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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