第118回 ハイレベルな物流現場を持続する7つのコツ(6)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

7つのコツ(その5)「意見箱の設置」

現在の物流センターでは、社員・パートアルバイト・人材派遣など多くの雇用形態による従事者が混在して働いています。

荷主企業の自家運営でも物流企業の運営でも、組織としての役割や活動内容には違いはないはずです。

ただ、荷主企業の自家運営では円滑に滞りなく出荷を終える事が全てでありセンター内の全従事者が、当日の業務完了を職場のゴールとして捉える傾向が多いようです。

センター長の役割として、荷主直営と物流企業では業務に対する意識やその目的がいくらか違った形となって現われます。

コスト削減を日々取組む事は両者相違のないことですが、荷主企業では削減されたコストがあまり明確にならない事がよく見うけられます。

その点、ハイレベルな物流センターを運営している物流企業であれば、その日に削減されたコストは、その日の利益として数値化されるからです。

コスト削減の先にあるものが、年間を通じたものか、当日の結果として明確化されるかは、現場で働く従業員及びスタッフにも大きく意識の違いが現われます。

これはよくある事例ですが、荷主企業直営の物流センターではその日の数量や件数などが、一部の社員以外は全く知らさせず、パートさんや人材派遣スタッフは、粛々と与えれた仕事のみを行い、時間の経過だけが興味のある事となっている様子です。

これでは、職場としての「一体化」や目的・目標に対する「共通化」は行われず、必然性を持って生産性や品質向上に限界が見えます。

今シリーズのタイトルであります『ハイレベルな物流現場を持続する』には、物流センター全員の「意識向上」が結果として品質やコスト逓減に繋がっていくものです。

成功している事例として、「意見箱」の設置があります。

人間とは、正面きっては自身の考えや意見が上手に伝えられないタイプの方もいますし、「何もパートの自分が何か意見をして目を付けられたくない…」などと思っている方も少なくはありません。

「意見箱」そのものがベストという事ではなく、広く意見を聞きますよ…というセンター側の姿勢が重要なことなのです。

目的・目標に向けて一体化を図り「改善」の風土を培うには、そこで働く全ての人の意識向上を行い、それらを吸収する職場文化が肝要となります。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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