ポストコロナ時代の物流戦略|荷主企業が「物流業界の2024年問題」を乗り切る方法②
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前回のコラム「どうなる?ポストコロナの物流」では、ポストコロナ時代の物流、とくにグローバル物流に焦点を当て、今後の課題を解説しました。本コラムでは、国内の物流環境について、今後の見通しをお伝えします。
目次
極度のトラックドライバー不足問題が再発
ポストコロナ時代では極度のドライバー不足問題が再発し、トラック運賃の高騰が予想されます。
目下の課題である2024年問題(2024年4月1日から施行されるドライバーの総残業規制による諸問題)は、輸送事業者にとって死活問題であり、今からその対策に追われることになります。
国内景気が上昇トレンドになってくると、すべての人手不足問題が連動し、荷役コストも上昇します。つまり、物流コストに占める割合のうち、約60%~70%はコスト増が見えていることになります。
景気転換点を前にして、国内における物流戦略は見直しが必須であり、あまり時間猶予も無い状況です。
平成の物流戦略では通用しない
平成時代は、物流ITの普及と輸送モードの発展により調達および納品リードタイムが短縮されました。
また、物流不動産ファンドの躍進による大型物流センターの建築ラッシュもあり、拠点集約が
図りやすくなったおかげで“規模の拡大”によるコスト削減効果が明確に享受できる環境でした。
東名阪マーケットの周辺都市には、大規模物流センターが乱立し、eコマース産業を中心にあらゆる
メーカー・卸・小売り企業が物流センター集約を実行し、物流サービスのレベルアップとコストダウンの
ダブルメリットを実践した訳です。
しかし、令和時代の物流はこのままの体制で良いのでしょうか?
- 「物流はいつまでも労働集約産業である」
- 「荷主は物量を増やすことで物流会社は喜び、互いに競う」
- 「規模の拡大=拠点集約こそが物流戦略の王道である」
ここまで端的に文字にしてしまわなくても平成の思考はもはや違和感のある戦略です。
ポストコロナ時代の物流戦略
今後の物流戦略を考えるうえでのキーワードは7つです。
- ①都市部と地方の在庫の在り方(マザーセンターとローカルデポ)
- ②永続的な輸配送コストの上昇※特に中長距離トラック輸送
- ③顧客へのユニバーサルサービス(均一)体制の見直し
- ④省人化対策(現場のDX推進)
- ⑤物流BCP再策定
- ⑥脱炭素への取り組み(エコロジカル・フットプリントの削減など)
- ⑦更なるDX推進によるサプライチェーンの可視化
これら7項目は、どれもほぼ平成時代には重要視しなかったキーワードです。
特に、②運賃値上げ③サービスレベル見直し④脱炭素などは、今後の戦略次第によっては企業間で大きく差がついてしまい、競争優位な環境が瓦解する懸念のある事象です。まだ間に合いますので、ポストコロナ時代の物流戦略を早急に見直してみてください。
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