物流自動化で業務効率化・コスト削減を実現!概要からメリット・デメリットまで解説
物流自動化とは、システムやロボットの導入により物流業務の一部を自動化することです。この記事では、物流自動化の概要やメリット・デメリット、導入時のポイントなどについて解説します。人手不足や小口配送の増加などの課題を抱える物流業界にとって物流自動化は欠かせないものです。自動化に興味がある、業務効率化を図りたい方はぜひ参考にしてください。
物流自動化で
業務効率・コスト削減!!
目次
物流自動化とは
物流自動化とは、物流業務の一部にシステムやロボットを導入することで、業務を自動化することです。ロボットやシステムが代わりに作業を行ってくれるため、従業員の業務負担を軽減できる点が特徴です。
物流自動化が求められる理由
物流自動化が求められる背景には、物流市場が抱えるさまざまな課題が関係しています。ここでは、具体的な課題を2つ紹介します。
インターネットショッピングの拡大
近年では、Amazonや楽天、メルカリなどインターネットショッピングを利用する人が増えており、それに伴い小口配送も増えるなど物流業界に対する需要がどんどん高まっています。また、新型コロナウイルスの影響によって外出自粛をする人が増えたことでその傾向はさらに強くなっている状況です。商品を配送する場合、商品を保管している倉庫でピッキングや仕分け、梱包といった作業を行う必要があり、小口包装が増えると、その分の作業が増え従業員にかかる負担が大きくなります。このような負担を軽減し、スムーズに小口配送に対応するためにも、自動化の導入は必要不可欠だといえます。
人手不足
物流業界は、倉庫内作業者やドライバーなど慢性的な人手不足に陥っている状況です。人手不足の背景はさまざまですが、主な理由としては、物流倉庫の立地が良くないため通勤しにくい、深夜や早朝の仕事がある、肉体労働の側面がある、といった点が考えられます。求人を出しても必ずしも希望通りの採用ができるわけではなく、人手不足を解消するための方法の1つとしてロボットやシステムを活用した自動化が求められています。
物流自動化の例
実際に現場で導入されているロボットやシステムにはさまざまなものがあります。現状、物流現場において主に入庫~仕分け作業の一部の自動化が実現しています。ここでは、具体的な例を2つ紹介します。
自動搬送ロボット
倉庫内の商品を従業員に代わって運んでくれる自動搬送ロボットを導入している企業は多く存在します。自動搬送ロボットと一言でいってもその種類はいくつかあり、主なものとしては以下のようなものが挙げられます。
AGV:Automatic Guided Vehicle | ・「無人搬送車」や「無人搬送機」と呼ばれるロボット ・床に磁気テープや磁気棒を設置することで磁力で移動させる ・事前に決められたルートでしか動けない | |
AMR:Autonomous Mobile Robot | ・自立走行搬送ロボット ・ガイドなしで走行できる点が特徴 ・人や障害物を自動で回避 | |
GTP:Goods To Person | ・床面移動式ロボット ・ピッキングリストを読み込み、対象商品が保管された棚ごと運ぶ ・作業者が動く必要がないため体力的な負担を減らせる ・導入時に倉庫のレイアウトやオペレーションを考慮する必要がある |
倉庫管理システム
倉庫管理システム(Warehouse Management System)とは、倉庫内の在庫管理に活用できるシステムのことです。例えば、無線ハンディターミナルを活用してバーコード管理を行うことで、在庫状況を正確に把握することができます。過剰在庫や在庫不足などに陥る可能性が低くなるため、業務効率の向上にもつながるでしょう。
物流自動化のメリット
物流自動化によるメリットはさまざまです。ここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。
従業員の負担軽減
業務の一部が自動化されることで、従業員の業務量が少なくなるため、負担軽減につながります。また、人的リソースに余裕ができることで、ほかの業務に注力することも可能です。自動化することで、最小限の人数で作業が進められ、繁忙期や閑散期であっても安定して業務に取り組むことができるでしょう。
コスト削減
物流自動化は、継続して取り組むことでコスト削減につながります。確かに自動化を導入する際には、機械やシステムが必要となり、ある程度のコストがかかりますが、導入による業務効率化によって人件費などのコスト削減が期待できるため、継続することで、導入コストを取り戻すことができるでしょう。導入コストだけを見て物流自動化をしないと判断するのは時期尚早です。まずはどのくらいのコストがかかるのか、どのくらいでもと(導入コスト)を取ることができるのかといった点を確認してみてください。
ヒューマンエラーの減少
人による作業の場合、いくら注意していてもヒューマンエラーは避けられません。一方で、システムやロボットであれば、決められた作業を確実にこなしてくれるため、ヒューマンエラーの減少につなげられます。物流自動化後も人が行う作業は発生するため、ミスを100%ゼロにすることは難しいですが、それでもミスが減ることで現場にかかる負担は小さくなります。
物流自動化のデメリット
物流自動化のデメリットとしてあげられるのが、導入コストです。先ほども説明しているように、継続して使用することで、導入コストをカバーすることはできますが、それでも初期費用としてある程度のコストはかかるため、予算を確保できずに諦めなければならない企業も出てくるでしょう。また、導入に伴いこれまでと働き方が大きく変わる可能性があるため、導入直後は現場が混乱する恐れもあります。そのような混乱を最小限に抑えるためにも、事前にルールやマニュアルを整備する必要があるでしょう。そのため、ルール・マニュアルの整備に手間がかかる点に注意が必要です。
物流自動化導入時のポイント
物流自動化を導入する際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。ここでは、導入時のポイントを2つ紹介します。
自社の現状を把握する
物流自動化導入にあたっては、自社の現状を把握し、現場に適したシステムやロボットを導入することが大切です。逆に物流自動化の導入が先行してしまうと、自社にあっていない高額なシステムやロボットを導入することにもなりかねないため注意しなければなりません。従業員へのヒアリングや業務の洗い出しなどを行うことで、自社の倉庫作業で課題となっている点を明確に把握できるようにしましょう。
導入後も効果検証を行う
システムやロボットを導入した場合、そのままにしておくのではなく、定期的に効果検証を行うことが大切です。一見すると作業効率が高まっているように思えても、人件費や残業時間で見てみるとそれほど効果が出ていない可能性もあります。そのような状況で運用し続けてもコストがかかるだけです。定期的に効果検証ができれば、効果が出ていないシステムの契約を打ち切る、ほかのシステムに切り替えるといった対応もできるため、忘れずに行うようにしましょう。
まとめ
今回は、物流自動化について、その概要や求められている背景、導入によるメリット・デメリットなどについて解説しました。物流自動化は、システムやロボットを活用することで、物流業務の一部を自動化することです。従業員の業務負担軽減、コスト削減などさまざまなメリットがありますが、導入にあたっては、自社の現状を把握したうえで適切なシステム・ロボットを選ぶことがポイントとなります。物流自動化の導入を前提とするのではなく、自社に必要なのかよく検討したうえで導入することが大切です。
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