不良在庫でお悩みの方必見。減らすための方法から処分の仕方まで解説

不良在庫とは、売れる目処が立たず、そのままにしておくと自社の損失となる恐れのある在庫のことです。不良在庫を抱えることで物流コストが増大する恐れがあるなど、企業にさまざまな影響を及ぼします。この記事では、不良在庫の概要や減らすためにできること、不良在庫を抱えた時の処分方法などについて解説します。

不良在庫でお悩みの方必見。減らすための方法から処分の仕方まで解説

不良在庫とは?

-不良在庫の概要から対策まで解説-

不良在庫とは

不良在庫とは、販売のめどが立たず、自社の損失となる恐れのある在庫のことです。商品を多く生産してしまう、多く仕入れてしまう、流行が変わったことで売れ残ってしまうなど不良在庫が発生する原因はさまざまです。また、不良在庫には不良品や欠陥品も含まれます。

不良在庫を抱えるデメリット

企業が不良在庫を抱えることで、管理コストが発生します。売れる可能性が低いにも関わらず、保管スペースや管理する人員を割く必要があるため、管理費や人件費、光熱費などが発生し、企業の資金繰りを悪化させかねません。
また、不良在庫の種類によっては、ほかの商品に悪影響を及ぼすものもあります。例えば、腐敗や色落ちした在庫が残っていると、隣の商品に腐敗が広がる、色移りするといった可能性があるでしょう。

不良在庫を減らす対策

不良在庫を減らすための対策はさまざまです。ここでは、具体的な対策方法を4つ紹介します。

①適正在庫を把握する

不良在庫を減らすためには適正在庫を把握することが大切です。適正在庫とは、欠品を出さずにすむ最小限の在庫のことです。
しかし、企業の中には適正在庫を把握しておらず、商品を過剰に仕入れてしまい不良在庫が発生するケースが少なくありません。どのくらいの数があれば欠品せず在庫数を維持できるのか、過去の売り上げデータなどから分析し把握することで、在庫を過剰に抱える可能性が低くなり、不良在庫も減らせるでしょう。
在庫管理に関するより詳しい記事をご覧になりたい方はこちら
在庫管理とは?企業の売り上げにもつながる活動の概要を解説

②在庫を少なくする

在庫を少なくすることも不良在庫の減少につながります。企業によっては、売上アップのために在庫を多めに抱えるケースが少なくありません。しかし、在庫が抱えすぎると管理費用が増えるだけでなく、不良在庫となるリスクが高まります。
在庫を少なくすることで、不良在庫を抱える可能性が低くなり、経営の安定性も増すでしょう。

➂在庫の回転率を高める

在庫回転率とは、一定期間で在庫が売れる回数のことです。在庫回転率が高いと商品がすぐに売れているということになり、低いと商品が売れ残っているということになります。つまり、在庫回転率を高めることができれば、商品を長期間保管するケースが減り不良在庫も少なくなるということです。
なお、在庫回転率は以下の計算式で求めることができます。

在庫回転率=一定期間の売上原価÷一定期間の平均在庫金額

ただし、在庫回転率が高いと、在庫不足を招く可能性があるため、在庫の定期的な商品の補充を忘れないようにしてください。
また、季節商材のように、特定の季節になると売れる商品などは、在庫回転率だけでは仕入れるタイミングや量を判断することは困難です。過去のデータを踏まえて判断する必要があるでしょう。

在庫回転率の算出方法や活用方法について解説した記事も公開しています。
在庫回転率とは?意味から把握するメリットまで解説

④在庫管理システムを導入する

在庫管理システムを導入し、在庫管理をスムーズに行うことができれば、不良在庫を抱える可能性も低くなります。在庫管理システムは、在庫管理を自動化してくれるシステムのことです。
例えば、ハンディターミナルを使用することで、入出荷の際の検品や棚卸しの際の在庫確認などのデータを自動的に記録してくれます。これにより性格かつスピーディーな在庫管理が可能となり、在庫の過不足も把握しやすくなるでしょう。
在庫の状況がリアルタイムに近い形で把握できれば、過剰な発注を避けることができるため、不良在庫も少なくなります。

不良在庫の処分方法

不良在庫を抱えた場合、処分方法としては以下の3種類が挙げられます。

  • ・売り切る
  • ・廃棄する
  • ・業者に買い取ってもらう

ここでは、それぞれの方法について解説します。

①売り切る

不良在庫の処分方法の1つが、不良在庫の品質が落ちてしまう前に売り切ることです。この場合、通常の売り方をするのではなく、店舗やインターネットショップなどで売り切りセール、在庫一掃セールとして実施することで売れやすくなります。
ただし、このようなセールを頻繁に行っていると消費者がネガティブなイメージを抱くため注意しなければなりません。

②廃棄する

食べ物のように賞味期限や消費期限がある場合、廃棄せざるを得ないケースもあります。廃棄する場合は、廃棄場所のルールに沿って手続きを踏んでください。また、医薬品を廃棄する場合は、安全面への配慮が必要です。

➂業者に買い取ってもらう

商品によっては専門の業者に買い取ってもらえるケースもあります。ただし、買い取った商品をどの市場に流通するかは業者が判断するため、流通先によっては企業のイメージダウンにつながることもあります。

不良在庫を処分するメリット

企業が不良在庫を処分することで得られるメリットはさまざまです。ここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。

①コスト削減

不良在庫を抱えると管理費や人件費などのコストが発生しますが、不良在庫が減るとそれらのコストを削減することができます。また、不良在庫に人員を割く必要がないため、適切で効率のいい人員配置が可能となるでしょう。

②金融機関からの評価がよくなる

不良在庫が少なくなると、金融機関からの評価も高まります。これは、金融機関から融資を受ける場合、融資審査で在庫回転率が評価されることがあるためです。在庫回転率が低いと不良在庫を抱えている可能性が高くなるため、金融機関も融資しにくくなってしまいます。
一方で、不良在庫が少なく、在庫回転率も高ければ、企業のキャッシュフローが悪化する可能性も低くなるため、金融機関も融資の決断を下しやすくなります。

➂節税につながる

在庫が少ないと節税効果を得ることもできます。
在庫は、棚卸資産として計上するため、課税対象となります。在庫が少ないと、棚卸資産も減るため、節税が可能となります。
また、不良在庫を廃棄する場合、廃棄損として損金計上ができます。廃棄損計上することで、棚卸資産が減り売上原価が増えるため、利益が減少し、結果的に節税につながります。なお、廃棄する際は、記録として残すために、廃棄を依頼した業者から廃棄証明書を発行してもらうようにしましょう。

まとめ

今回は、不良在庫の概要や減らすための方法、処分方法などについて解説しました。不良在庫は販売のめどが立たず、自社の損失となる恐れのある在庫のことです。不良在庫は、管理コストが増えるほか、金融機関からの評価低下にもつながる恐れがあるなど、さまざまなデメリットを伴います。適正在庫を把握すること、必要に応じてセールなどで在庫を処分することで不良在庫を抱えないようにすることが重要です。

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