物流基礎 最新更新日:2021.11.25

在庫管理とは?企業の売り上げにもつながる活動の概要を解説

有形商品を販売する企業(製造業、小売業、卸売業など)にとって、在庫過剰、在庫不足に陥ることは避けなければならないことです。そのためには在庫管理を行うことが欠かせません。この記事では、在庫管理の概要から、基本的な行い方、行う際のポイントなどを解説します。在庫管理の基本を知りたい方、在庫管理業務の効率化を目指す方はぜひ参考にしてください。

在庫管理とは?

-企業の売上にも関わる基本を解説-

在庫管理とは?

在庫管理とは、必要な製品や原材料を必要なときに、必要な分だけ、必要としている場所に供給するために、在庫が適正な量となるように管理することです。英語だと「Inventory control」と表現されます。在庫管理の具体的な取り組みとしては、入出庫管理や棚卸し、返品管理などがあげられます。いずれも物流センターなどの倉庫内では一般的に行われている基礎的な業務ですが、これらの取り組みを通して製品がどのくらい残っているのか、といった情報を把握・管理します。

在庫管理を行う目的

在庫管理を行う目的は、過不足のない適正な在庫を保つためです。もし在庫が過剰な状態となると、不良在庫が増え、倉庫内のスペースを圧迫するなどコストが膨らんでしまいます。逆に在庫が不足していると、販売機会を逃すこととなるため、機会損失となります。在庫管理を行い適正な在庫を保つことができれば、結果的に企業の利益向上や顧客満足度の向上、コスト削減、キャッシュフローの改善にもつながるでしょう。

在庫管理に「企業における適正在庫」が必要となる背景

在庫管理に「企業における適正在庫」が必要となる背景には、部署や部門によって「適正在庫」が異なっていることが挙げられます。

例えば、販売部門にとっての適性在庫は「欠品に伴う機会損失防止のため多めに在庫を持つこと」であったとしても、物流部門にとっては「保管にかかるコストを削減するため、在庫は多めに持たないこと」が適正在庫となっている可能性があります。 確かに、欠品による販売機会の損失は企業にとって避けるべきものですが、在庫過剰によるキャッシュフローの悪化、コストの増大にも注意しなければなりません。そのため、在庫管理には「企業における適正在庫」を把握し、部署や部門に関係なく共通の認識を持つことが必要だといえます。

在庫管理の基本的な行い方

在庫管理は、エクセルもしくは在庫管理システムを使用して行われるのが一般的です。ここでは、それぞれの方法の概要について解説します。

エクセルによる在庫管理

多くの企業で使用されているエクセルを使って在庫管理を行うことができます。エクセルは関数やマクロ、ピボットテーブルなどが使用できるため、これらを組み合わせることで、しっかりとしたシステムを作ることが可能です。また、コストをほぼかけずに利用できる点も大きな特徴といえるでしょう。そのため、規模や予算的に在庫管理システムを導入するほどではない企業にとってオススメの管理方法となります。

ただし、エクセルによる管理は基本的に手動で情報を入力するため、ミスが発生する可能性は常につきまといます。入力漏れや入力箇所の間違いなどによって在庫にズレが生じるといったことがないよう、チェック体制を整備しておく必要があります。

在庫管理システムによる在庫管理

在庫管理システムは、その名の通り在庫管理を行うための専用システムです。入出荷や検品、返品、棚卸しなど、倉庫内で発生する業務に関する各種情報の一元管理が可能となります。システムが在庫を確認すると自動でデータを記録してくれるため、データ入力に伴うミスもなく、確実かつ迅速な在庫管理が実現します。また、データはリアルタイムで更新され、共有できるため、情報共有のタイムラグによるミスの心配もありません。情報共有がスムーズになることで、業務効率化も期待できるでしょう。

ただし、在庫管理システムは、導入に伴いコストが発生するほか、システムの扱い方を従業員に教育する必要がある点に注意してください。

在庫管理を行う際のポイント

ここでは、在庫管理を行う際の具体的なポイントについて解説します。さまざまなポイントがあるため、ぜひ在庫管理の参考にしてください。

ロケーション管理

ロケーション管理とは、倉庫内における在庫の位置を管理することです。在庫管理の際にロケーション管理を行うことによって、出荷時のピッキング作業を効率良く行えます。なお、ロケーション管理には、大きく分けて以下の2種類があります。

・固定ロケーション:置く場所を固定する
・フリーロケーション:状況に応じて置く場所を変更する

多くの倉庫では固定ロケーションによってロケーション管理が行われていますが、フリーロケーションにすることで、在庫状況に応じた管理ができるため、さらにピッキング時間の短縮が可能です。ただし、フリーロケーションを行う場合は収納効率が高くなる一方で、ピッキングやオペレーションの部分で非効率になる可能性があります。そのため、機能性の高い在庫管理システムを導入しフリーロケーションにおける欠点を補う必要があります。

先入れ先出しの徹底

先入れ先出しとは、古い在庫から順番に出荷することです。賞味期限のある食品はもちろん、期限のない部品であっても、時間の経過とともに劣化するため、古いものから出荷することによって、廃棄する在庫を減らすことができます。物流業界においては基本的な考え方となるため、徹底することを心がけてください。

適切な発注を心がける

製品が在庫過剰となる場合、発注が適正在庫よりも多く行われている可能性があるため、発注の段階から注意する必要があります。製品や原料などを発注する場合、大きく分けて以下の2つの発注方法があります。

・定量発注:一定の在庫量を下回ったら一定量の発注を行う
・定期発注:一定のタイミングでその時に必要な量の発注を行う

企業によって適切な発注方法は異なるため、自社の状況を踏まえた発注の仕組みを整えていきましょう。

在庫分析を行う

適切な在庫管理を行うには、在庫分析を行い、在庫の現状を正しく把握することが大切です。分析の際には、以下のような分析手法、指標を活用することができます。

・ABC分析:在庫の出荷量や売上を分析し、在庫に優先順位をつける分析手法
・需要予測:市場分析を通して需要がある製品を予測する分析手法
・在庫滞留分析:なかなか売れず、長期停滞している製品を把握する分析手法
・在庫回転率:在庫の入替回数を示す指標

上記のような手法・指標を活用し、自社の在庫の現状把握に努め、在庫管理に役立ててください。

ツールを使用する

在庫管理には、バーコードやICタグといった各種ツールの利用も有効です。例えば、在庫にバーコードやICタグをつけ、専用の機器で読み取れるようにすると、入出庫情報や在庫の期限などをリアルタイムで管理・共有することができます。バーコードやICタグを読み取るだけで業務が行えるため、業務効率化にもつながるでしょう。

船井総研ロジが注目!在庫管理の話題のタネ!

「 在庫管理」について、船井総研ロジが考える、今押さえておくべきキーワード・トピックをご紹介します。

在庫分散によるROA悪化リスク

新型コロナウイルス感染症の蔓延と、ドライバー不足への対応として「在庫分散」の戦略が挙げられます。在庫拠点数が増えることで“安全在庫”(通常必要な在庫に加えて最低限保持しておく在庫)が増えます。また、その上日本企業の強い欠品恐怖症により、それぞれの拠点においてますます“安全在庫”が肥大化します。よって、会社全体の総在庫数が増大することでROAが悪化するリスクにつながりやすいのです。在庫分散を行うメリット・デメリットを正しく把握し、自社の在庫管理を進める必要があります。

・在庫分散によるROA悪化リスクの詳細はこちらからお読みください
 ≫ 「在庫分散によるROA悪化リスク~2020年物流業界時流(4)~」

物流センター移転(新拠点の立ち上げ)における在庫移管の重要性

物流センター移転において、在庫移管は最後の重大な局面です。在庫移管が原因で、物流センター移転が予定通りに進まないという事例が多くあります。しかし、在庫を旧拠点から新拠点へ移菅すれば成功というわけではありません。「移管が完了した在庫が新拠点のどこに何個あるかをすべて把握できる状態」が成功となります。
そのためには、車両手配だけでなく、在庫の受入手順や入庫から格納にかかる所要時間など、計画段階から慎重かつ入念に検討しなければなりません。

・物流センター移転における在庫移管計画の詳細はこちらをお読みください。
≫ 「在庫移管計画の重要性」

在庫削減のポイント・手法・事例の資料ダウンロード

適切な在庫管理を実現する「在庫削減のポイント」や「在庫削減の手法」を、当社のコンサルティング事例をもとに解説した資料がダウンロードできます。適正在庫を維持するための対策を知り、計画的な在庫コントロールの一助に活用ください。

・在庫削減のポイント・手法・事例の資料ダウンロードはこちらから
≫ 「在庫削減のポイント ~在庫削減に向けた手法を、事例から学ぶ~」

まとめ

今回は、在庫管理の概要や目的、具体的な実施方法、行う際のポイントなどについて解説しました。在庫管理は、企業の売り上げにもつながる重要なものです。エクセルや在庫管理システムを利用して管理することが一般的ですが、システムであれば、情報の記録や共有も簡単に行えるため、業務効率化も図りやすいでしょう。今回の内容を参考に、自社の在庫管理に取り組んでみてください。

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Pen Iconこの記事の執筆者

Logiiiii編集部

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