物流課題の解決に役立つ正しい現状把握のコツ

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普勝 知宏

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

製造業や通販企業などの荷主企業に対し物流の改善提案を行い、物流拠点の見直しや物流業務委託先の再選定(物流コンペ)を進めてきた。物流拠点の見直しでは、コストやリードタイムだけでなく拠点BCP等のリスクも加味した提案を行っている。
また、物流業務委託先選定ではRFPの作成支援・コンペ事務局などを実行し、定量・定性両面での物流会社評価を行う。現在は物流現場の作業生産性向上や保管効率向上、5Sの導入による倉庫管理の改善に注力しており、各社の物流現場に合わせた改善手法の提供を行っている。​​

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物流戦略策定から物流拠点の最適配置、委託先選定、物流コストの妥当性評価、現場改善、倉庫の自動化など、一口に『物流』といっても、その中には非常に多くの改善項目があります。

そして、いずれの取組みにも共通して必要な過程が「現状把握」です。当社では、現状把握なくして精緻な分析や設計、綿密な計画を策定することは不可能であると断言しています。

物流の課題解決に役立つ現状把握のコツ

まず、自社の物流をどこまで把握できているか、把握している内容が実態と合致しているかを確認します。現状把握が正しくできていない荷主企業には、以下のような共通点があります。

現状把握が正しくできていない荷主企業の共通点

・部門や事業部ごとに最適な体制を構築しており、全社最適な物流体制を設計する人材がいない

・自社の拠点から顧客の手に渡るまでに発生する物流上の費用が、物流費と製造原価(または調達コスト)で分割される

・委託先や納品先で行われている作業・業務がブラックボックス化している

・納品先で行われている作業や業務(附帯作業、納品時間指定を含む)が自社依頼事項なのか、顧客依頼事項なのか把握できていない

定性・定量、それぞれの現状把握

定性面の現状把握を行うには、営業担当者・顧客・3PL・委託先・実運送会社・ドライバーにヒアリングを実施しましょう。定量面の現状把握には、社内統一ルールのもと、各事業部の担当者から実績値を収集する必要があります。

現状把握を詳細分析につなげる方法

様々な苦労の上、自社の物流に関わる数値が明確になったところで、今度は集計された数値をどのように活用すればよいか明確にできていないという荷主企業も少なくありません。

物流部のある荷主企業であれば、物流部がこの数値と情報を使って分析・設計を行い、合理的な物流体制の構築を目指さなければなりません。物流部の活動が各部門からの数値と情報の収集に留まっては役割を担っているとは言えないのです。

物流課題の解決に失敗しないために

正しい数値管理と物流実態による精緻な分析・設計が、今後の物流体制構築・物流戦略策定へ向けた大事な第一歩です。そして、もうひとつ重要なことは、収集したデータや情報が、本当に認識すべき物流全体を網羅して可視化できているかという視点です。

物流可視化において重要な視点

・他にも算出すべき項目があるのではないか

・物流費として算定すべきではない項目が含まれていないか

・業務の流れ及び繋がりが可視化できているか

・体制や戦略を検討する際に障壁となり得るリスクは把握できているか

さいごに

当社は、物流の現状把握と課題抽出の業務を承っております。物流において発生している物流費を適正に見える化し、第三者目線から見えてくる問題点と課題を抽出します。

また、日々顕在化していく物流課題だけでなく、さまざまな業種・業態の企業の物流を調査・分析・改善してきた当社だからこそ知る物流改善の手法があります。

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船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

製造業や通販企業などの荷主企業に対し物流の改善提案を行い、物流拠点の見直しや物流業務委託先の再選定(物流コンペ)を進めてきた。物流拠点の見直しでは、コストやリードタイムだけでなく拠点BCP等のリスクも加味した提案を行っている。
また、物流業務委託先選定ではRFPの作成支援・コンペ事務局などを実行し、定量・定性両面での物流会社評価を行う。現在は物流現場の作業生産性向上や保管効率向上、5Sの導入による倉庫管理の改善に注力しており、各社の物流現場に合わせた改善手法の提供を行っている。​​

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