物流センター移転の3つの注意点

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小倉 裕太

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

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前回は、在庫移管計画の重要性について解説しました。今回は、物流センター移転時の3つの注意点について解説します。

在庫移管実行時の注意点(船井総研ロジ)

物流センター移転時の3つの注意点

在庫移管は計画(段取りやルール)を事前に明確にし、遵守することが重要です。物流センター移転時の注意点は以下の3つです。 

1.入荷仮置きは原則禁止

 入荷仮置きとは、移管車両台数が多く、荷受け業務(検品)が追い付かない際に、車両待機を回避するために、荷降ろしだけを行い、バースあるいは倉庫内に「荷受け業務(検品)待ち」で仮置きしている状態を指します。

入荷仮置きは、在庫の所在やステータスが旧倉庫・新倉庫ともに把握できない状態です。在庫移管という特別な状況下で、かつ、現場が混乱している状況では、別の作業員が知らずのうちに仮置き状態の貨物を動かしてしまうことが起こり得ます。

荷受け業務(検品)が完了していない状況で貨物を動かしてしまうと、その貨物のステータスやどの拠点から入荷された貨物なのかが分からなくなってしまいます。入荷仮置きの発生・蓄積は、貨物の紛失・行方不明、延いては稼働失敗につながるため、在庫移管における重大禁止事項といえるでしょう。

上記の状況を作らないためには、荷受け業務(検品)にかかる時間を事前に算定し、移管車両の着車計画を立てておく必要があります。また、入荷仮置きが発生した場合は、移管車両の受付を一時停止し、荷受け業務(検品)を最優先にするなどのルールを事前に設定しましょう。

入荷で失敗すると後工程の在庫管理でも失敗します。そのまま放置しておくと、欠品が発生し、出荷時にも多大な影響を及ぼします。倉庫におけるすべての業務の入り口が「入荷」であることを忘れてはいけません。

2.担当者以外の商品タッチは禁止

在庫移管中は物流企業の格納担当者以外の商品へのタッチを禁止とすることが望ましいです。たとえ、荷主企業の社員であっても例外ではありません。

在庫移管中に意図せず貨物が動かされてしまうと、所在不明の貨物の発生や数量差異が発生し、現場が大混乱に陥ることもあります。在庫移管中は格納担当者以外の人員に貨物を触らせないようにしましょう。また、在庫移管以外の入出荷は止めることが望ましいです。

在庫移管で遅れが発生すると、社員総出で応援に入る企業もみられますが、一定のルールを伝えたうえで応援しなければ、更なるトラブルの原因となるため注意が必要です。

3.移管予備日の設定(全棚卸)

拠点稼働開始前に全棚卸を行う日として「移管予備日」を設けておくことをおすすめします。在庫移管後に全棚卸せずに稼働すると、本稼働後に所在不明の貨物の発生や数量差異が発生し、現場が混乱するリスクがあるためです。

全棚卸を行う日・時間を確保することで、万全な状態に整えた状態で新拠点を稼働することができます。

在庫移管計画をチェックする体制をつくる

在庫移管計画は、実際に拠点を運営する物流企業が作成することが多いですが、荷主企業も上記に挙げた3つのポイントを重点的に確認・指摘することが重要です。

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