物流拠点の配置戦略とは?物流担当者が持つべき視点
もう2024年も半ばです。ドライバーの労働時間上限規制が始まり、早急な物流網の見直しを迫られている企業も多いのではないでしょうか。
拠点配置の見直しと聞くと、膨大な時間とコスト、そして責任がのしかかり、手が付けにくいイメージを持たれているかと思います。確かに、拠点配置検証には様々な工程を踏む必要があり、定常業務と並行して進めていくことは容易ではありません。
とはいえ、物流環境を取り巻く環境の変化に対応するため、検討を先延ばしにしておくことはリスクを大きくすることになります。本シリーズでは物流拠点配置に対する考え方を改めて整理していきます。
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目次
物流担当者が押さえるべき環境変化
環境の変化は大きく「内部環境の変化」と「外部環境の変化」に分けることができます。
内部環境の変化とは、自社事業、商品特性、事業規模、販売先の変化等のような企業の経営方針や成長に伴い変化する領域です。一方で、外部環境の変化には2024年問題のような物流に関わる時流変化はもちろん、市場の変化や高速道路網などインフラ、設備面の変化などが挙げられます。
これらの環境変化によって物流効率が低下する恐れがあります。環境変化をコントロールすることは難しいですが、荷主企業(製造業・卸売業・小売業)として変化をキャッチアップし続けることで、拠点運営に反映する必要があります。
物流拠点を見直さないと生じるリスクとは
物流拠点の見直しを怠ると、様々なリスクが伴います。
物流拠点は自社の物流コストやサービスレベルを決定づけるため物流戦略の根幹を担う重要な要素です。仮に物流特性に合わない拠点配置であるにも関わらず、拠点の見直しを先送りにしてしまうと、非効率な物流体制に気づかず、知らぬ間に自社の競争力(サービスレベル・コスト)を低下させてしまう危険性があります。
自社の経営方針や時流に合った適切な対応を取るためにも、物流拠点の在り方(立地・規模・数・機能等)を継続的に見直す必要があります。
物流担当者が持つべき考え方
物流環境の変化に対して柔軟に対応することは荷主企業にとって重要な考え方のひとつです。
物流環境は常に変化し続けており、上述の通りそれらをコントロールすることは不可能です。いつどのような問題が発生しても手遅れにならないよう、定期的に自社の物流拠点が適正と言えるかどうか、モニタリングすることをお勧めします。
拠点配置の見直しと言っても、必ずしも実行へと移す必要があるわけではありません。見直し検証の結果を踏まえ実行に移す必要性を検討するというのがあるべきステップです。まずは健康診断のイメージで自社の物流戦略を客観的に見つめてみてはいかがでしょうか。
さいごに
今後、「物流拠点配置」をテーマに、メルマガシリーズを定期配信いたします。是非、次回以降も拠点配置メルマガをお読みください。物流拠点配置に関する検討のポイントを様々な角度でお伝えいたします。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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