物流業界での自動化設備導入の落とし穴とは
昨今の労働人口の減少に伴い、物流業界における人手不足はますます深刻化しています。ドライバー不足はもちろんのこと、庫内作業者の確保が難しいと感じる荷主企業も多いようです。そうした人手不足への対応方法のひとつとして、近年倉庫において自動化設備の導入を進める事例が増えてきています。
しかしながら、自動化設備を導入したのに期待していた効果が得られていない…というケースが散見されます。そこで今回は、自動化設備導入にあたって起こりやすい失敗事例と対策をご紹介します。
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目次
自動化設備導入で起きやすい失敗事例
イレギュラー対応に時間を要する
まず最もよくある事例が、イレギュラー対応に時間を要している場合です。
例えばソーター(自動仕分け機)を導入している倉庫でコンベアに流れる荷物が途中で止まってしまい、荷物が滞留してしまう場合があります。この時、滞留した荷物を流すために人員は必要になるだけでなく、現場の作業も止まってしまうため手待ちが発生してしまいます。
自動化設備にはイレギュラー対応がつきものであるものの、こうしたエラーが常態化している場合は問題です。こうした事象の発生要因を特定し、自動化設備の安定稼働を目指す必要があります。
エラー発生時の対応が現場任せになっている
次に、上記と関連して、エラー発生時の対応が現場任せになっている場合が挙げられます。
物流倉庫においては、荷主と庫内業務を請け負う会社と、自動化設備の設計や導入を管轄する会社が異なる場合があります。この場合、現場作業を担う会社は自動化設備が止まっても原因が分からず、対応が遅れる可能性があります。
自動化設備を導入して間もない段階では、専門の担当者が現場に常駐し、迅速に対応できる体制を構築しておくことが望ましいでしょう。
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物量の平準化ができていない
最後は、物量の平準化ができていない場合です。
自動化設備は処理能力に上限があるため、自動化設備の処理能力に合わせて倉庫の物量を調整することが求められます。例えば、月曜日に物量が多い倉庫があったとします。この倉庫において、月曜日に自動化設備の処理能力を超えるほどの物量があった場合、出荷時間に間に合わないなどの事態が想定されます。
こうした事態を回避するには物量波動 の平準化が必要ですが、この実現には取引先や社内での粘り強い調整が求められます必要となります。例えば、全ての取引先に毎日配送を行っている場合を考えます。この場合、取引先を取引量に応じてA~Cまでのランクを付け、取引量の少ないCランクの取引先から出荷量の調整をしていく方法があります。
物量波動の調整は一朝一夕には実現が難しいものの、長期的に自動化設備の稼働率を高めるという視点では欠かせない取組みと言えるでしょう。
さいごに
このように自動化設備の導入にあたっては注意すべきことが多くあります。しかしながら、昨今の人手不足に対応する持続可能な物流体制を構築するには、避けて通れないテーマでもあります。今回ご紹介した事例も参考にしながら、物流倉庫の自動化を検討してみてはいかがでしょうか。
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