物流コンサルタントの視点 2017.07.13

拠点集約か分散か

サービス/拠点配置
サービス/物流リスク・コストダウン診断 物流DOCK

事業規模の拡大に伴い、拠点の増床・倉庫の借増しを繰り返してきた企業や、M&Aもしくはグループ内統合などで管理倉庫が増えた企業が物流拠点の見直しを図るケースをよく聞きます。

また、EC市場の拡大により、マンションの一室のような小さなスペースで事業を行っていた企業が外部に倉庫を借りて事業を展開したり、BtoB事業のみを行ってきた企業がBtoC事業も手がけはじめたりするパターンもあります。

これらの企業の拠点配置戦略を見ると10年ほど前は拠点を集約し、在庫を圧縮することで保管コストを抑える動きが多く見受けられましたが、5年前あたりからは東西2拠点運営や5エリアデポ運営・7エリアデポ運営といった物流体制に切替える企業が増えてきました。

この一連の動きの要因として以下が挙げられます。

  1. 東日本大震災の経験からBCP対策としての措置
  2. 納品先の近くに在庫を置き、配送コスト削減とリードタイム短縮を目的とする
  3. 一箇所で大人数を採用するのではなく、拠点規模にあった就労者を募集できる

特に、2の配送コスト削減が生み出す効果は大きく、実際に当社が支援した企業でも大きな実績を残しています。

たとえ拠点が複数になり保管コストや管理コストがかかっても、納品先(エンドユーザー)までの配送距離を短くし、配送コストを抑えるほうがより大きな効果が出る実例が多く存在します。

また、配送距離が短いということは、幹線輸送・中継・仕分けなどの荷渡し回数が減るため、破損や汚損のリスクも抑制することができます。

今後、配送単価(=運賃)の値上げ要請は続くことが予想されますし、同時に配送リードタイムの維持・短縮、遅配や残貨の排除といった配送の品質が厳しく求められます。

BtoCではその要求はさらに強く、配送時間指定や高度な梱包品質が求められます。
これらの要求に応えるために拠点を分散し、エンドユーザーの近くに在庫を保管する施策が採られてきました。

こうした中、近年では集約とも分散とも区分されない第三の拠点配置案が出てきました。
出荷頻度・在庫回転率が低いものは地価の安価な地方拠点に集約し、出荷頻度・在庫回転率が高いものは、より消費地の近くに配置するというものです。

地方の拠点からエリア拠点への配送は必要なタイミングで幹線輸送することで配送コストを抑えています。

具体的には、商品価格が安いときに大ロットで購入しストック在庫を地方で保管し販売在庫は消費地に近い拠点で保管したり、季節はずれの商品やアウトレット品を地方の倉庫に保管し季節にあった商品・売れ筋商品を消費地に近い拠点で保管したりしています。

いずれにせよ拠点配置は各社の経営戦略・物流戦略・販売戦略に基づくため、一概に「集約の方が優れている」「分散の方が効果を得られる」等と断言できませんが、それぞれのメリット・デメリットを勘案して配置案を講じることが求められます。

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Pen Iconこの記事の執筆者

普勝 知宏

船井総研ロジ株式会社 チーフコンサルタント

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