物流業界のM&Aは8割が失敗!?M&Aでシナジーを出し続ける企業の特徴とは?

梶谷 昂史

Pen Iconこの記事の執筆者

梶谷 昂史

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

最近、多くの運送事業者様から物流業界のM&Aに関してのご相談を受けますが、M&Aでシナジーが出せず清算、売却する方も中にはいらっしゃいます。

そこで本コラムでは、物流業界のM&Aでシナジーを出し続ける企業の特徴を紹介いたします。

①M&Aの「目的とビジョン」が明確

物流業界のM&Aで成功している企業は、このM&Aは何のために行うのか、何を実現させたいのかが明確です。一方で物流業界のM&Aで失敗している企業は、M&Aの実行そのものが目的化してしまい、M&Aを通じて実現したかったビジョンが曖昧なまま進んでしまっています。

M&Aとは、経営戦略の手段の一つです。既存事業の更なる拡大、新規事業に挑戦してビジネスの多角化を進めたりする際に活用されるものです。買って終わりではなく、その後にも両社の事業は継続していくので、M&A検討段階から目的とビジョンを明確にしましょう。

≫【関連資料】「物量減×物価高の逆境を勝ち抜く 物流企業の時流適応戦略2024」をダウンロードする(無料)

②PMIについて譲渡企業が協力的

譲渡企業の社長が、新たにグループインした会社のPMIに協力的なほど、業績を即時に伸ばしていく傾向にあります。

一般的にM&A後、業績が安定して向上するのは2~3年後と言われてますが、グループインした会社の理念やビジョンに共感し、それを社内でもしっかり共有している会社は、M&A後の成長速度は格段に違います。

後継者不在の会社を譲り受ける場合は、幹部社員を派遣して経営の建て直しをしなければいけませんが、中小物流企業のM&Aでは、優秀な人材を派遣できる程の余力はなく、自走前提(もしくはNo.2が社内に在籍)でM&Aを検討されている方も多い印象です。

③譲渡企業のドライバー採用に力を入れている

物流業界のM&Aでは、配送でのシナジーに目がいきがちですが、配送してくれるドライバーがいなければ元も子もありません。労働集約型産業である運送業では、ドライバーの採用=売上に直結していきます。中堅・大手企業は自社の採用と定着に力を入れていますが、小規模零細企業ではそこまでの投資はできないので、ドライバー採用強化にまで手が回っていないことがよくあります。

おわりに

物流業界のM&Aにおいて、譲渡企業のエリア近辺でのドライバー採用に力を入れている企業は、不測の事態(急な離職など)に対応することができ、安定して業績を上げ続けております。

【関連資料】物量減×物価高の逆境を勝ち抜く 物流企業の時流適応戦略2024

物流企業の時流適応戦略2024_物流企業向け資料_船井総研ロジ

資料では、2023年の振り返りとして、運賃水準・運輸業の倒産・物量(輸送トン数)の動向と、来る2024年の物流経営キーワード、経営課題への提案事例など、くわしく解説します。

  • 【資料を読むと以下のようなことがわかります】
  • ・運賃水準動向・運輸業の倒産動向・物量(輸送トン数)動向
  • ・物流革新緊急パッケージ
  • ・2024年の物流経営キーワード
  • ・提案事例/配送コースの組み換え・最適化
  • ・生産性評価事例/時間が短いと評価が上がる仕組み…他
物流業界のM&Aは8割が失敗!?M&Aでシナジーを出し続ける企業の特徴とは?

サービス/ロジスティクスプロバイダー経営研究会

概要
業績アップに特化した物流企業が集まる経営研究会!船井総研ロジが主催する研究会は、日本の物流業界をけん引する企業が一堂に会し、業績アップのノウハウを学びます。
詳細
https://www.f-logi.com/butsuryu/society/

梶谷 昂史

Pen Iconこの記事の執筆者

梶谷 昂史

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

その他の記事を読むArrow Icon

人気の記事

ページの先頭へ