運送会社の社長が抱える管理職の育成問題を徹底解決!

管理職の仕事ぶりに不満を抱えている社長は少なくありません。経営と現場の両視点を持って組織をマネジメントできる管理職を育成するには、一体どのようなスキルをどのように指導をすべきか。

運送会社に特化した強い組織をつくるためのヒント・管理職の役割・指導方法をここにまとめました。

会社を成長させたい経営者には必読のコラムです。

運送会社の管理職としてのあるべき姿

管理職の働き方に対して悩みを抱えている運送会社の社長は少なくありません。

管理職としての自覚が足りない・・・
指示待ちばかりで主体性がない・・・
もっと社長になった気持ちで動いてほしい・・・

こんなことを考えている社長の方は多いのではないでしょうか。
ではまず、社長の方々が考える管理職とはどのような存在を指しているのでしょう。 一般的には、労働現場において労働者を指揮し、組織の運営に当たる者と定義づけられています。 この役割にふさわしい人材として以下の特徴が挙げられるでしょう。

  • ・自ら主体的に行動し、業務を遂行できる
  • ・リーダーシップを持って、正しい方向へと周りを動かすことができる
  • ・部下と円滑なコミュニケーションを築き、教育体制を構築できる
  • ・責任感と向上心に満ち溢れ、意欲的に企業成長へ貢献することができる


これらをスキルで求めるとすればひとつ、「マネジメント力」です。 視野を広く持ち、業務・社員を多角的に管理する必要があります。

本コラムでは「マネジメント力」を持った管理職をどのように育成すれば良いか、運送会社の経営者が抱える管理職育成の問題を現場に寄り添った方法で解決に導きます。

管理職のマネジメント力が会社の経営力

まず、経営者の仕事は会社の未来を決めることです。ビジョン設定や戦略を立案することが社長の役目です。そしてそれらを現場に落とし込むことこそ管理職の仕事です。


しかし多くの中小運送会社の場合、名ばかりの管理職となっていたり、管理職であるもののプレイヤー気質が抜けず本来の管理職としての仕事ができていないというケースも多いです。

管理職に必要なのは現場をまとめるために部下の行動を管理するのはもちろんのこと、チームに寄り添い部下を教育する育成力、またチーム単位のみでなく会社全体の目的達成のために動く運営力等、今だけ・自分だけ思考では不十分であることがわかります。

常に、全体最適を考えて行動することが管理職にとって必要不可欠です。これらの能力を一言で表すと、前述した”マネジメント力”になります。


企業の成長には強い管理職の存在が不可欠です。管理職が弱い会社は、人材の増員・営業力の強化・時流への適応が追い付かず、業績が停滞していきます。

社長だけが頑張れど、社員だけが頑張れど、残念ながら充分な組織成長には繋がりません。会社の経営力を伸ばし企業を大きく育てていくには、両者の懸け橋である「管理職」の教育体制こそキーとなります。強い管理職の育成が会社の経営力に直結するといっても過言ではないでしょう。

デキる管理職を育てるための第一ステップ

企業成長には管理職の教育が肝であるとお伝えしました。それではどのように管理職を育成すべきでしょうか。まずは管理職に求める要件や必要とするスキルを定め、定義付けを行いましょう。


「管理職は自分で考えることが仕事だ」といって社長が明確な指示を出さず、管理職が何を求められているのかわからない状況に陥りがちです。自社にふさわしい管理職とはどのような役割を担う者か、言語化し、共有することから始める必要があります。

管理職のマネジメント能力を育てるためには

運送会社の管理職に必要なマネジメント能力を育成するためには、「管理職らしく働け」といってもうまくいかないものです。しっかりと教育の場やフォローを設けることが必要です。

つまり社長は管理職に対し、マネジメント能力が身につくであろうヒト・モノ・カネを管理する実業務を割り振ることがポイントです。

例えば・・・

  • ・社員の勤怠管理
  • ・定期的なフォロー研修の開催・運営
  • ・業務効率化を促進するためのルール見直し
  • ・配送ルートの策定
  • ・ドライバーへの指導管理

このように幅広く裁量を持たせ、会社全体の動きを把握できるよう仕事を任せましょう。

全体最適で業務を遂行できるスキルを定着させることで、管理職にふさわしいマネジメント能力、さらにその会社に合った管理方法を培うことができます。運送の現場を離れ、管理職のスキル育成に集中できる体制づくりが重要です。

経営者目線を育てるためには

さて管理職を育てるためには、現場の実業務から離し、会社全体の動きを把握できるような仕事を割り振ることが重要だと先ほどの章でお伝えしました。


実はこのステップ、管理職のスキルを身に着けてもらうだけでなく、経営者目線を身につける点においても有効です。なぜならば管理職ならではの仕事をする中で、これまで現場の目標を達成するために動いていた一プレイヤーから、視座を高くし、経営者としての戦略・戦術を立てていく能力を養うことも期待できるためです。

例えば、特に視座を高くすることを期待できる業務は以下のような仕事が考えられます。

  • ・費用削減・利益創出のため会議にて提案
  • ・会社の財務計画策定
  • ・市場と自社の未来を考えるマーケティング戦略
  • ・社長とのビジョン構想
  • ・お客様との納期・価格調整調整と交渉
  • ・企画書・見積書・契約書の作成

このように現場から離れたマクロな業務を積極的に割り振ることで、マネジメント力とは何か・経営者目線とは何かという定義が管理職の中で明確になっていくでしょう。


現場の良き理解者であり、同時に経営者目線で動ける懸け橋となるような管理職が育つ教育体制を構築しましょう。

事例紹介-管理職の現場管理力を養うことに成功した研修内容とは-

実際に管理職のマネージャーとしての意識を身に着ける体制づくりに成功した運送会社の例をご紹介します。
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広島県福山市にある丸加海陸運輸株式会社では、管理職のマネジメント力を育成するために社長自ら研修を行っています。 研修の内容としては、原価計算表を用いながら社長自ら管理職に対し、日々の売上やコストに対する考え方を共有し、トラックや人の動かし方について具体的な業務と絡めて指導するというものです。

実際に収益の上昇が著しくない職場をモデルに挙げ、どのような戦略・戦術で現状を改善できるか課題分析を行う1時間の研修を、これまで3回実施しています。 この研修はマネジメント力の中でも特に、現場管理のスキル・力を身に着けるのに適しているといえます。
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この会社のように、具体的な成果に繋がりうる定期的な研修を採り入れていくことが、管理職としての役割を自覚させることに繋がります。基礎的な知識を教育するとともに、経験の量・裁量の大きさで責任感を芽生えさせることが大切です。管理職の現場離れにはこうした社長の徹底的なフォローが最大の近道となるでしょう。

しかし、通常の社長業務に追われていて、管理職の育成に十分な労力を割けないことを悩んでいる運送会社の社長も多いと思います。その場合、外部セミナーへの積極的な参加も大いに効果的です。

外部講師という第3者の視点から指導を受けることで、より自主的な意欲を持って会社に持ち帰ろう、貢献しようという成長意欲を育てることも期待できるでしょう。

現場では経験できない、現場とは違う視点に立たせる環境づくりも”デキる管理職”に育てる一歩に繋がります。

まとめ

ここまで、運送会社の管理職のあるべき姿から実際に育成を考える際の手段について事例を交えて解説してきました。管理職育成について、何から始めようと悩んでいる方は、まず自分の会社における管理職の役割について明確にすることから始めてください。

そもそもなぜ社長は現在の状況に対して、管理職としての自覚が足りていないと頭を抱えるのでしょうか。それは、経営者の考える「管理職の役目」と実際の「管理職の働き方」にギャップが生じているからです。社長は管理職の皆さんに対して、どのような場面でどのように動いてほしいか、管理職としての役割をしっかりと共有できていますか。

よく運送会社で起こる管理職育成における課題の一つに、
「きちんとしたマネジメント能力を身に着けてほしい」
「もっと経営者の目線に立って考えてほしい」
というような漠然とした指導をすることが挙げられます。

これでは彼らにスキルを求める以前の問題です。管理職の自覚を育てるためにはまず、社長にとって管理職の役割とは何か、理想を言語化して定義付けをする必要があります。

社長が求める管理職像が明確になれば、管理職本人そして経営者自身も何をすべきか、どう動くべきか次の行動に向けてPDCAを回しやすくなります。社長と現場の懸け橋になるような素晴らしい管理職を育て、より一層企業を成長させましょう。

そのためにまずは自分の会社で管理職に求める特性は何か、一度洗い出し、見直してみてはいかがでしょうか。

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