ついにスタート!乗務後自動点呼
点呼支援ツールとして活用されていたロボット点呼は、2022年より国土交通省からの発表後、乗務後自動点呼が可能な自動点呼機器としての運用が開始されました。 そこで本コラムでは、乗務後自動点呼と今後の運行管理の在り方、自動点呼の導入において知っておくべきことを解説いたします。
目次
遂にスタート!乗務後自動点呼
「昨年5月に『自動点呼を実現!注目のロボット点呼とは?』と題して、ロボット点呼導入による効果について解説しました。当時は、点呼支援ツールとして紹介したロボット点呼でした。
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しかし、2022年12月20日に国土交通省から『乗務後自動点呼実施要領の概要』が発表されたことにより、乗務後自動点呼が可能な自動点呼機器としての運用が開始されました。
本日はそんな乗務後自動点呼と今後の運行管理の在り方について解説していきます。
乗務後自動点呼について
「乗務後自動点呼とは、国土交通省が定めた要件を満たす機器・システム(自動点呼機器)を使用して、運転者が乗務を終えた後に管理者不要で行われる点呼のことを指します。
自動点呼機器には、従来人間が行っていた点呼業務を自動化するために、満たすべき要件項目が多数あります。
<要件項目の一例>
- ●運転者ごとに、運行管理者が伝える指示事項を画面表示や音声などで伝達する機能があること
- ●乗務後自動点呼に必要な全ての確認、判断及び記録が正常に行われない場合や故障が発生した場合には、点呼を完了できない仕様になっていること。
- ●運転者が酒気帯びしていると検知された場合には、直ちに運行管理者に警報や通知を発する機能があり、この場合、自動点呼機器は点呼を完了できない仕様になっていること
…などがあります。
乗務後自動点呼で発生する可能性のあるトラブルに対応するために、様々な要件が設けられています。
意外と導入ハードルは高くない?
乗務後自動点呼を導入するには、「乗務後自動点呼の実施に係る宣誓書」と「乗務後自動点呼の実施に係る届出書」の2つの書類を提出する必要があります。
これらの書類には、会社が整備しなければならない内容の詳細が記載されていますが、本コラムではその概要を説明します。
会社が整備しなければならない項目は、大きく3つに分けられます。
①監視カメラの設置
遠隔点呼と同様に、点呼場所の天井などに監視カメラを設置する必要があります。ただし、乗務後自動点呼は、営業所単位で完結する点呼方式であり、遠隔点呼やIT点呼と異なり、通信環境や通話環境、照度などの環境確保は必要ありません。
②自動点呼機器の用意
先ほども記載したように、数多くの要件を満たす自動点呼機器を使用する必要があります。
※現時点では、株式会社ナブアシストの「Tenkode Unibo」が乗務後自動点呼の認定機器として承認されています。
③運用体制の構築
ロボット点呼に対応した運用体制を構築する必要があります。
詳細は、国土交通省の「乗務後自動点呼の実施に係る宣誓書」という申請書類に記載されています。
これまでとは点呼方法自体が変更されるため、体制の構築には変更が必要ですが、施設や環境、機器要件については、遠隔点呼やIT点呼よりも導入のハードルが低いことがわかります。
今後の運行管理者に求められる能力は?
国土交通省からの発表では、今後は乗務前点呼の自動化を見据えた実証実験を進めてくとのことです。つまり、今まで運行管理者が行っていたで点呼業務はすべロボットの業務に完全に置き換わる時代がやってきます。
そういった時代の中で今後運行管理者に求められる能力は下記が挙げられるでしょう。
- ・運行管理データを用いた分析
- ・改善力
- ・ドライバー教育
- ・安全指導能力
- ・Tを駆使した業務改善能力
- ・点呼以外でのコミュニケーション能力
…など 人間でなければカバーできない業務における能力が今以上に求められます。 来るべき完全自動点呼に向けて、今一度自社の運行管理者のスキルや能力の見直してみてはいかがでしょうか?
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