物流DXの実現とその可能性 ~コロナ禍のいま、荷主と物流事業者がやるべき事(後編)~

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

12月に入り、年末らしくなりました…とは言えな環境です。EC(ネット通販)関連以外の荷動きは、従来の年末繁忙期を感じさせない鈍化した状態が続いている気がします。

さて、この環境下で荷主が今取り組むべき事は、以下の3点です。

1.業務プロセスの標準化
2.過剰サービスの洗い出しと撤廃
3.物流DX・省人化の取り組み推進

では、それぞれについて詳しく解説します。

荷主も物流事業者もコロナ禍の今、やるべき事!

1.業務プロセスの標準化

受注から在庫引き当て・出荷指示・発送業務と物流が担う業務プロセスは各社によって様々ですが、日本企業は総じて欧米と比すると標準化が出来ていません。今後の省人化対応やDX対応を行う上で、欠かせないのが”業務プロセスの標準化”です。

物流における業務プロセスの標準化とは?

基幹システム以外の特定システム利用や、ある担当者しかわからない特殊作業などはどこの企業に多く見受けられます。これらの非標準業務を徹底的に抽出し、各プロセスの改善を含めた再設計を今のうちにやるべきでしょう。ニューノーマルを実現する為の公式は「DX=デジタル化=可視化=標準化」です。

2.過剰サービスの洗い出しと撤廃

どの企業も創業からここに至るまでにおいて特殊である複雑な顧客との取引ルールが存在します。その中でも、物流サービスに関する特殊な取り決めや、ややもすれば物流の過剰サービスとなっていることがあります。

過剰サービスの具体例

過剰サービスとは、相手がその行為に対して価値を感じていないことです。物流における過剰サービスの例としては、①時間指定 ②受注当日出荷 ③欠品と、この3点は至極当たり前のように、どの企業も重視していることですが、ここに
物流の無駄が多く存在します。

物流合理化を進めるうえで重要なこと

この過剰サービスの洗い出しと撤廃は荷主にしか出来ないことですが、一般的に見て何が過剰であるのかは、物流会社は理解できているはずです。物流会社から見た、一般的な視点を荷主へ伝えることも物流の合理化を進める上ではとても重要な提案となります。

3.物流DX・省人化の取り組み推進

物流DX・省人化への取り組みは今が絶好のチャンスです。特に、物流DXは以下の通りに分類されます。

物流DXの分類

① 管理業務のDX
② 物流オペレーションのDX・省人化
③ 顧客インターフェースのDX
④ 社内情報のDX
⑤ サプライチェーン全域のDX

物流DXの効果が最大限に発揮される領域

この中で、④社内情報のリアルタイム共有が図れていない企業が多々あります。ここをDXによってシームレス化できれば、物流コストの削減余地はたくさんあり、我々コンサルタントは宝の山だと注目しています。

物流DXはコスト削減につながるのか

DXに取り組むことで物流コストはまだまだ削減可能です。

みなさま是非、物流DXに関心を持って取り組み、情報収集や研究を進めていただければと思います。

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さいごに

本年も大変お世話になりました。

2021年はウィズコロナを包含した激動の1年となりそうです。物流関係にとって、どのような2021年となるのか?毎年恒例の”2021年物流業界時流予測”は、1月のFunai物流オープンカレッジの中でお伝えしますので、是非お早目にお申し出ください。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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