“自動化”時代の新たな課題

Pen Iconこの記事の執筆者

木村 健人

船井総研ロジ株式会社
DXL推進グループ

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EC(電子商取引)の世界は日々変化し続けています。その中で新しい技術の導入や消費者ニーズの変化に伴い、企業はサービスの多様化に日々取り組んでいます。しかし、このような変化に対応する一方で、労働市場における課題も深刻化しています。

日本国内で大きな課題となっている労働生産人口の減少は、物流や倉庫業界にとっても深刻な問題です。特に、繁忙期や急な需要変動に対応することが求められる倉庫では、人手不足が顕著です。賃金の引き上げや人員の確保は、企業にとって負担となるだけでなく、物流コストの上昇や効率性の低下といった懸念もあります。

このような状況下で、物流企業も新たな戦略を模索しなければなりません。自動化技術やロボティクスの導入など、労働力を補完する手段が求められています。

新技術の導入により懸念点がクリアになる一方で、新たな試みには常にリスクが伴います。人海戦術では発生しなかった未知のエラーやシステムの不具合が発生する可能性もございます。

今回はその内容と原因についてお話します。

  • 船井総研ロジでは物流戦略策定、倉庫業務改善、コスト抑制、システム導入など荷主企業(製造・卸・小売業)のロジスティクス最適化をサポートします。
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自動化×習熟した人材

現在、倉庫の切り替えや社内発送業務のアウトソーシングを検討している多くの方々が、「効率性向上」と「ヒューマンエラーの削減」を求めています。

2030年には約341万人、2040年には約1,100万人という急激な労働供給不足が物流業界を襲う可能性があります。このような状況下で、物流倉庫におけるデジタルピッキングシステム(DPS)やデジタルアソートシステム(DAS)などのマテハン機器の活用が不可欠とされています。

物流管理システムの進化により、作業員の関与が減る一方で、作業員の知識と習熟度が追いついていく必要があります。しかし、現状では倉庫内でシステムを構築し運用できる習熟した人材が限られており、エラーが発生した際に対応できる人材も不足しています。さらに、物流管理システムに依存し、システムを適切に扱える人材の習熟度が不十分なまま作業する可能性が高まっています。これにより、ヒューマンエラーの深刻化が懸念されます。

このような課題に対処するためには、今後の委託先選定において、「自動倉庫」と「習熟した人材」を重視することが重要です。

課題解決へのプロセス

熟練した人材を育てるには、膨大な時間と労力が必要です。まず、模範となる人材を獲得または育成し、その経験やスキルを現場の作業員に伝えることが重要です。しかし、これには容易ではない課題が伴います。現場のニーズに合わせた効果的な指導や研修を行うには、慎重な計画と継続的なサポートが不可欠です。

さらに、物流委託先として倉庫を選定する際にも、実際の運用が始まらなければわからない課題があります。適切な倉庫を見極め、その運用能力や人材の実態を評価するためには、時間と労力を要する作業です。客観的なデータを収集し、慎重に検討することが不可欠です。

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