グローバル・スコープ 2020.07.06

ハラール物流ニーズの高まり~イスラムを知る~

ハラール×物流 イスラム教への関心が高まっている

現在、国内のイスラム教徒の人口はおよそ20万人と言われています。これからの時代は、ASEAN諸国における経済発展、東京オリンピック・パラリンピックの開催をきっかけに、イスラム諸国からのインバウンド需要がますます高まります。

しかしながら、日本国内ではイスラム教徒が食べるハラール食品や、学校、公共施設、職場における礼拝室などの完備が不十分です。そのため、イスラム諸国の人々が安心して生活できる環境が整っていません。

今後、イスラム諸国の人々に対応した食品や製品などの「ハラール関連ビジネス」が拡大するに伴い、日本の物流企業には輸送や保管、ハラール対応の施設、配送網の整備需要が高まることが想定されます。日系物流企業では、日本通運のようにマレーシアでハラール認証を取得し、マレーシアにおける国内販売物流、製造物流、ハラール商品の保管、配送に取り組んでいる事例があります。しかし、ハラール対応を完備している日系物流拠点はまだまだ少ないと言えます。

イスラム諸国の人々に受け入れられる事業を展開するためには、第一にイスラム諸国の人々の考え方を受け入れる姿勢を持つことが大切です。
そこで今回は、これからのイスラム諸国の人々との共存社会を創り上げていく上で大切であるイスラムの人々の文化や生活習慣をお伝えしていきたいと思います。

労働環境の整備と習慣への理解

1日5回の祈り

イスラム教徒にとって大切なことは、イスラム教徒としての人生を全うすることです。イスラムの世界には「神」という存在があり、1日5回の礼拝を通して神に祈りを捧げます。1日の中で祈りを捧げる時間は定められているため、たとえ就労時間中でも、イスラムの人々は祈祷室でお祈りを始めることがあります。非イスラムの人々はこれらの習慣を尊重することが大切です。
日本においては、職場や周辺に「祈祷室」が設置されていることがイスラムの人々に対する大きな配慮となります。

イスラム教徒の生活

イスラムの世界にはいくつかの戒律が存在します。その1つが「ラマダーン」です。ラマダーンは断食の時期であり、この期間では、日の出前に起床して、朝食を取る生活が始まり、日の出から日没までの間は、水や食べ物を一切口にしません。

また、イスラム教徒の女性は「ヒジャブ」と呼ばれる布を身に付けています。
他にも結婚前における異性と手を繋いではいけないなどの教えもありますので、このようなイスラムの習慣への理解に努める姿勢も大切です。

ハラール食品

イスラムの世界には、食事に関して食べることを許されている「ハラール(ハラル)」と食べることを許されていない「ノンハラール」に区別されます。
ノンハラールとして代表的なものは、豚とアルコールです。そのため、居酒屋などでイスラムの人々にお酒を進める行為は当然NGです。
イスラムの人々の前でノンハラールである食品を食べることは問題ありませんが、イスラム教徒の人と文化や習慣の違いを理解していきましょう。

ハラール対応の物流体制の構築

ハラール倉庫・配送の需要

「ハラール」には食品、商品、そしてサービス、流通、加工、保管なども含まれます。現状、国内では、食品、製品自体がハラールであれば、ハラール専用の倉庫やトラックによって配送が行われていないことも許されていますが、冒頭でお伝えした通り、国内における「ハラール関連ビジネス」が拡大するに伴い、日本の物流企業は、ハラール食品や製品を一括して保管し、配送できるハラール対応の施設、配送網のニーズが高まることが想定されます。
また、今後イスラム諸国への進出を考慮すると、ハラール専用倉庫をはじめ、ハラール専用の流通網の構築が不可欠です。

参照:コラム/日本における“ハラール物流”の現状

ビジネスパートナーとの絆の強さ

イスラム諸国の中でも特にマレーシア、インドネシアは「親日国家」であり、日本人に対する友好さは頑固たるものです。私自身、マレーシアに行くたびに熱烈な歓迎を受けることがあります。
イスラム教徒の人々は、一度信頼関係を築いた相手との絆は相当深いものがあります。そのため、信頼関係があるかどうかで事業の結果が大きく変わることもあります。

まとめ

人口、内需の減少が進んでいる日本国内において、日本企業の成長ポイントの1つとして「国外の市場をいかに国内に取り込めるか、そして国外にある市場にいかに参入していけるか」をあげることができます。
日本では、宗教による習慣の違いや地域による文化の違いが少ないために、異なる文化や宗教を受け入れることが不慣れですが、ハラール関連ビジネスの必要性は確実に高まっています。

船井総研ロジでは「イスラム諸国に行ったことがない」「イスラム諸国がどのような状況なのかを知りたい」というニーズにお応えするために、今後、マレーシアをはじめ、イスラム諸国への海外視察ツアーなども検討していきます。
この記事を読まれた企業様で、ハラールロジスティクスへの関心を高めていただけましたら是非ご参加ください。

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関連コラム/日本における“ハラール物流”の現状

詳細
https://logiiiii.f-logi.com/series/globalscope/halal-logistics-in-japan/

サービス/拠点配置

概要
現状のロジスティクスを正確に把握し、求められる機能の向上をいかに図るのか、目指すべきサービスレベルの具現化に向けて、拠点配置を含めた検討を行ないしょう。
詳細
https://www.f-logi.com/ninushi/service/logisticsbase-location/

Pen Iconこの記事の執筆者

ken takahashi

船井総研ロジ株式会社

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