物流担当者に求められる運営体制最適化の進め方とは?
荷主企業から自社の物流体制において「アウトソーシングもしくは内製化かどちらが自社にとって適正であるのか判断できない」といった声を耳にします。
日本の3PLの役割として、荷主企業は自社の商品開発、製造、マーケティングといった本業に専念する為、物流業務はアウトソーシングを行うケースが多く見受けられます。実際のところは「コスト削減」を目下の最優先課題とし、アウトソーシングを実施した荷主企業が多いのではないでしょうか。
しかし、昨今の外部環境の変化や物流課題に対して、改めて物流における自社の運営体制のあるべき姿を見直す必要があります。
- 【関連する業界レポート】
- →「物流分野でESG経営に取り組むべき理由 ~物流業界ESG意識調査 報告レポート~」
目次
運営体制における荷主企業の主な課題
運営体制に関して、実際に弊社へ寄せられる荷主企業の課題事例を紹介します。主に現状把握の不足と情報共有の不足が挙げられます。
現状把握の不足
- A社:自社における運営体制としてアウトソーシング又は内製化のどちらが最適であるか判断できない。
- B社:昨今の外部環境の変化に対応しなければならないが、自社の現状を正確に把握できていない為、コンプライアンス面や事業継続性において将来的に不安要素がある。
情報共有の不足
- C社:長年委託しており、暗黙知で物流業務を委託している為、委託企業や再委託企業の物流管理体制まで正確に把握していない。
最適な運営体制に向けた現状把握ポイント
弊社のコンサルティング案件におけるデータ分析やヒアリングの中で、実態を確認すると「包括的な物流コストの把握はできているが、内訳までは把握できない」「委託先の管理体制まで把握していない」といった回答が多く、自社の物流の全体像を把握できている荷主企業は少ない印象を持ちます。
荷主主導で外部委託先の物流業務に関与し、実態の把握、対策を講じることが求められている中でブラックボックスを抱えた状態では将来的な事業継続リスクも高まります。最適な運営体制を判断する為には、まずは定性面・定量面における現状把握(見える化)を行うことからです(図表①)。現状把握は目的に応じて基準は様々ですが、基本的には定量面と定性面から把握する必要があります。
また内製とアウトソーシングの形態毎のコスト面・作業面(人員、物量波動対応、車両など)からメリット・デメリットを整理する必要があります(図表②)。これら現状整理を行った上で自社における物流の特徴を当てはめていくことで最適な運営体制を導くことができます。
【荷主企業の実業務における現状把握ポイント】(図表①)
【物流アウトソーシングの形態とメリット・デメリット】(図表②】
- (例)1社元請け型
- (例)複数委託先使い分け型
弊社では上記で述べたように現状把握ができていない荷主企業に対して「物流診断」を行っています。
物流診断にて現状把握、問題点・課題の抽出を行い、改善施策の提案、最適な運営体制における今後の方向性と優先順位を整理します。将来的な計画を含めて事業継続に配慮した最適な運営体制の構築を進めてみませんか。
【前回の記事】ESGロジスティクスの実行は「物流センター」にあり!
関連する業界レポート【無料ダウンロード】
物流分野でESG経営に取り組むべき理由 ~物流業界ESG意識調査 報告レポート~
船井総研ロジが独自に行ったESG意識調査のアンケート結果をまとめました。
調査結果から見えてきたことは、「取り組むべきこと」と認識しつつも「手が回らない」という企業が大半で「お金がかかる」といったコスト面での懸念も大きく、取り組みが進んでいない実態です。
当社が考える物流分野でESG経営に取り組むべき理由とは?ESGロジスティクスの実態を解説します。
- 【資料の内容】
- ・ESGのイメージについて
- ・物流分野におけるESG取り組み状況
- ・ESGにおけるステークホルダーから見た視点
- ・ESGとロジスティクスの関係性
- ・ESGロジスティクスを進めるステップ
- ESGロジスティクスに関するご相談を承っています。オンラインでのご相談も可能です。
- →無料相談はこちら
ESGロジスティクス取り組み調査実施中
いつも船井総研ロジのESGメルマガを ご愛読いただき、誠にありがとうございます。企業のESGロジスティクスに関する取り組み状況を調査するため、アンケートを実施中です。
ご回答いただいた方には、回答結果をまとめた調査レポートを、無料でプレゼントします!
ぜひ、ご回答ください。どうぞよろしくお願いいたします。
関連するコンサルティング
物流戦略策定
業種やニーズにあわせた最適な物流戦略をご提案、より効率的な物流体制を構築します。
- 物流戦略を見直す際には以下の3つの視点が重要です。
- ・現状を客観的に見た問題の抽出
- ・全社横断的な物流最適化の視点
- ・荷主戦略と物流業界変化を合わせたプランニング
当社は物流戦略策定から業務設計・実行支援に至るまでサポートします。
物流コスト妥当性評価
物流コストの構成要素を明確にし、コストに対して妥当性のある価値があるかどうかを評価します。
- 当社は4の指標を加味したコスト妥当性評価レポート作成いたします。
- ・相場指数のランク付け
- ・コスト相場とのGAP評価
- ・外部環境の分析
- ・値上がりリスク評価
自社の物流コストの妥当性を知ることで、時流に応じた対応が行えます。
関連する書籍
物流改革大全 改善を進めるための実践ノウハウ
本コラムは、当社コンサルタントが執筆した「物流改革大全」を再構成したコラムとなっています。
運送コスト増大、コロナ禍、DXなどますます需要が高まる物流の効率化・改善のためにまず何をしたらよいのか。
物流改善の具体的方策を集約した物流管理者必携の一冊です。
※書籍紹介ページへジャンプします