物流基礎 最新更新日:2021.12.24

フルフィルメントとは?概要から外部に委託するメリット・デメリットまで解説

フルフィルメントとは、ECや通販などで発生する入荷から発送までの一連の業務のことです。この記事では、フルフィルメントの概要や具体的な業務内容、フルフィルメントを外部業者に委託するメリット・デメリットなどについて解説します。利益が思ったように出ていない、現場の業務負担を軽減したいといった要望を持つ方はぜひ参考にしてください。

フルフィルメントとは?

-概要から委託するメリデメまで解説-

フルフィルメントとは?

フルフィルメントとは、ECや通販などで発生する一連の業務のことです。具体的には、商品注文対応や問い合わせ対応、決済、在庫管理、ピッキング、梱包、配送、購入後のサポート、返品対応、交換対応などがあげられます。
ちなみに、フルフィルメント(Fulfillment)は英語であり、履行、遂行、実現と言った意味を持っています。

フルフィルメントの主な業務

フルフィルメントの主な業務には以下のようなものが挙げられます。

入荷・検品・メーカーや卸業者などから製品が倉庫に入荷される
・商品の数、色、サイズなどに間違いがないか確認する
棚入れ・商品保管・ラックやパレットなどを使って入荷した製品を保管する
・製品は発送するまで保管される
受注処理・顧客から製品の注文を受けること
・電話やメール、Webの問い合わせフォームなど受注処理の方法はさまざま
・受注した際は、注文内容や決済方法などを確認する
ピッキング・受注内容に基づいた伝票が発行されるため、対象商品を取り出す
検品・ピッキングした商品に傷や異常がないか確認する作業
・賞味期限なども確認する
・アパレル製品の場合、糸のほつれや検針なども確認しなければならない
梱包・発送する製品をダンボールに詰める作業
・製品が傷つかないように緩衝材などを入れる
発送・梱包した製品を配送業者に引き渡して発送する
・宅配業者が購入者の元に届ける

このように、製品の入荷から発送までにはさまざまな業務が発生します。一つひとつは決して難しい業務ではありませんが、扱う製品の数が多い、受注件数が多いとなると現場の負担は大きなものとなります。そのため、フルフィルメントの代行サービスを提供する外部の業者に委託するケースも少なくありません。

近年のフルフィルメントの派生業務

上記で紹介した主な業務の後工程に、決済業務と返品処理があります。これらの処理速度が顧客満足度にも繋がるため、スピード感を持って対応にあたるためにこれらの業務もフルフィルメントの業務として含めることも多くなってきました。

フルフィルメントを委託するメリット

フルフィルメントを外部企業に委託することで企業はさまざまなメリットを得ることができます。ここでは具体的なメリットを3つ紹介します。

①利益アップにつながる

フルフィルメントを自社で全てカバーするとなると、製品を保管する倉庫や受注対応をするコールセンター、それらの施設の維持費や人件費などが発生するため、利益が出にくくなります。
一方で、フルフィルメントを委託することで、これらのコストが不要となります。委託にあたっては別途コストがかかりますが、うまくいけばコストを抑えられるため、利益アップにつなげることも可能です。

②業務効率化

フルフィルメントを委託することで、業務の一部を自社でする必要がなくなるため、従業員の業務負担が軽減され業務効率化につながります。また、これまでフルフィルメントにあてていた時間や人員をほかの業務に注力することも可能です。例えば、商品企画にもっと人員を割く、自社サイトの改善に取り組むといったことができるでしょう。

③顧客満足度向上

フルフィルメントの委託先はノウハウやスキルを備えたフルフィルメントのプロとなるため、自社で取り組むよりも効率よく業務を進めてくれます。業務の質が高まるため、破損や発送ミスといったトラブルも起こりにくくなり、結果的に顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
特に、近年ではECサイトで買い物をする人が多く、サイト間での差別化が難しい状況であるため、サービスの品質を高めることは非常に重要です。

フルフィルメントを委託するデメリット

メリットの一方で、委託することで発生するデメリットもあります。ここでは、具体的なデメリットを3つ紹介します。

①ノウハウを蓄積できない

フルフィルメントを外部企業に委託すると、自社に業務のノウハウが蓄積されません。ノウハウがないために、業務は委託先に丸投げ、何をしているか具体的に理解していないといったことになる恐れもあるでしょう。

②顧客との接点が減る

顧客との接点となる受注処理業務を委託すると、顧客と接点を持つ機会が減ってしまいます。顧客の声は、業務改善やサービス品質の向上につながる重要なものであるため、委託先の企業から自社に顧客の声が伝わる仕組みを整える必要があるでしょう。また、クレームが発生した場合、委託先を挟むことで対応に遅れが生じる可能性もあります。

③コストがかかる

メリットの部分でも解説していますが、フルフィルメントを委託する場合、外注費が発生します。一方で、委託することで自社の負担が軽減されるのも事実であるため、委託に当たっては外注費用と業務負担軽減のバランスをとる必要があるでしょう。コストの割に負担が軽減されないのであれば委託するべきではないといえます。

フルフィルメントの委託が向いているケース

フルフィルメントを委託が向いているのは、配送作業に伴うコストが大きく利益が圧迫されているケースです。倉庫の管理費が高い、作業を行うスタッフが多くて人件費がかさんでいるといった場合は、フルフィルメントを委託した方がコストを抑えられる可能性があります。また、人手が足りていないケースも委託を検討するべきだといえるでしょう。
そのほかにも、ECサイトでの販売を始めたばかりの段階もフルフィルメントの委託が適しています。スタート直後は、自社内でフルフィルメントの体制が整っていないケースも珍しくなく、そのような状態ではサービスの品質を落としてしまいかねません。このような時に、最初からプロのノウハウのもと業務を推進できれば、顧客満足度向上にもつながり、スタートダッシュを切りやすくなるでしょう。

フルフィルメントを委託する際のポイント

フルフィルメントサービスを提供する企業はたくさんありますが、企業によって特徴や業務の範囲が異なるため、委託する場合は目的を明確にしておく必要があります。例えば、倉庫での製品管理のコストを抑えるために委託する、自社では土日配送に対応していないため、週末に稼働してもらうために委託する、といったイメージです。
まずは複数の会社に話を聞き、サービス内容やコストを比較したうえで委託先を選んでみてください。

船井総研ロジが注目!フルフィルメントの話題のタネ!

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フルフィルメントと3PLの違い

物流に関わる代行業務の一つとして3PLがありますが、フルフィルメントとの違いは代行してもらう範囲が異なる点にあります。
3PL(3rd Party Logistics)は、企業戦略の一つとして、物流機能のすべてや一部を第三者に委託することで社内の効率化や利益最大化を図るために行うことが多いです。あくまで、物流に関わる部分のみを委託するのが3PLです。
一方でフルフィルメントは、3PLとは異なり物流に関わる部分のみならず、商品の受注対応(コールセンター的な役割など)や決済業務なども担います。

3PLについて詳しく知りたい方はこちら
≫ 「3PLとは?荷主企業の業務負担の軽減につながる業務形態の概要を解説

Amazonのフルフィルメントセンター

日本国内に2013年5月時点で、9か所のAmazon独自のフルフィルメントセンターが存在します。
Amazonは公式サイトにて、このフルフィルメントセンターをお客様の満足を満たすための配送センターであると定義しており、ただ単に在庫が積まれた倉庫ではないと表現しています。ここまで言い切れる背景には、スピーディーなパッケージングから配送体制が出来上がっていることにより、顧客満足度を上げる仕組みづくりがセンターの時点からできていることがあります。
また、このフルフィルメントセンターにおける特徴の一つとして、ロボットによる棚卸体制があります。注文が入ると、商品が格納されている棚が作業員の居場所まで動いて運ばれてきます。このように最先端の技術を取り入れ、日々カイゼン活動・5Sを徹底しているセンターとして注目が集まっています。

まとめ

今回は、フルフィルメントの概要や具体的な業務内容、フルフィルメントを委託するメリット・デメリットなどについて解説しました。フルフィルメントはECや通販などで発生する入荷から発送までの一連の業務のことです。自社でカバーすることもできますが、フルフィルメントサービスを提供している企業に委託することもできます。委託する際は、委託する目的を明確にしたうえで、自社の業務に適した業者を選ぶようにしましょう。

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Pen Iconこの記事の執筆者

Logiiiii編集部

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