トラック運賃価格水準指標レポート 2025年
船井総研ロジが保有しているトラック運賃データベースをもとに、当社独自でトラック運賃の価格推移を指数で示しました。
2025年10月
- 2025年10月のトラック運賃指数は、前月比0、前年同月比-1の107となっている
- 10月は夏期と年末商戦の狭間に位置する季節的な需要の間にあたるため、工場や倉庫の動きが一段落し、急な配送依頼(スポット便)も減少したと考えられる
- また荷動き自体は鈍化しているが、人件費や車両維持費といったコスト負担は依然として重く、結果的に運賃水準は下がることなく、横ばいで推移したと推察される

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年9月
- 2025年9月のトラック運賃指数は、前月比-6、前年同月比-5の107となっている
- 運賃が低下した主な要因として、夏の飲料輸送といった繁忙期が過ぎ、猛暑による需要増も落ち着いたことで、荷動きが鈍化したためと推察する。また、個人消費や企業の生産活動の停滞も輸送需要の減少につながり、トラックの需給が一時的に緩和したことが要因と考えられる
- 昨年同月と対照的な動きとなった要因は、昨年は輸送力不足を背景に運賃が高騰した一方、今年は荷主側の物流効率化が進む中で短期的な需要減が重なり、運賃の低下につながったことが推察される

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年8月
- 2025年8月のトラック運賃指数は、前月比+9、前年同月比+3の113となっている
- 運賃が上昇した背景として、お中元やお盆シーズンにはギフトや飲料、季節商品の配送が全国的に集中し、物流需要が一時的にピークを迎えることが直接的な要因であると推察される
- 供給側のコスト高も運賃を押し上げていると推察する。物流費の高騰は、食品をはじめとする様々な製品の価格を押し上げる要因となる一方、上昇分のコストを十分に価格へ転嫁できていない現状がある。適正な運賃を確保するための価格転嫁が今後も求められるといえる。

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年7月
- 2025年7月のトラック運賃指数は、前月比+2、前年同月比+2の104となっている
- 運賃が上昇したと要因の一つとして、トランプ関税措置の不確実性から輸出の駆け込み需要が増加したことが推察される
- 6月度の名目賃金の上昇に伴い、物価高に対する警戒感が薄れ、個人消費が増加したことも要因であると推察する
- なお、最低賃金の見直し及び春闘の結果から、賃上げによる個人消費は今後も堅調に推移すると予測される。したがって、荷動きが活発化することにより運賃上昇に寄与する見込みである

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年6月
- 2025年6月のトラック運賃指数は、前月比-2、前年同月比+3の102となっている
- 経済産業省による「燃料油価格定額引下げ措置」によって燃料費の引き下げが段階的に行なわれ、運送事業者のコスト負担が軽減されたことが、先月と比較して指数が低下した要因の一つであると推察される
- トランプ関税や中東情勢への懸念から国内の企業活動や個人消費が低迷し、物量の停滞を招いている事も要因として挙げられると推察する

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年5月
- 2025年5月のトラック運賃指数は、前月比-2、前年同月比+2の104となっている
- 先月と比較して指数が低下した背景として、5月度は荷動きが落ち着いていることが原因であると推察される
- 経済産業省による「燃料油価格定額引下げ措置」により、5月22日(木)から段階的に燃料費の引き下げが行なわれているため、運送事業者のコスト負担が軽減される。したがって、6月度もトラック運賃指数の上昇抑制が予想される

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年4月
- 2025年4月のトラック運賃指数は、前月比-6、前年同月比+7の106となっている
- 先月と比較して指数が低下した背景として、企業の年度末にあたる3月に予算消化や売上計上のため駆け込み需要が集中しその反動で4月の荷動きが落ち着き、需給バランスが緩和したためと推察
- 加えて、同月からの法改正施行を受け、荷主・運送会社双方が様子見ムードとなり、積極的な運賃交渉が手控えられたことも影響したと推察

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年3月
- 2025年3月のトラック運賃指数は、前月比+4、前年同月比+12の113となっている
- 引越し需要集中の影響からトラック需要が逼迫し、上昇したと考えられる
- 国土交通省は、引越しによるトラック需要の集中を避けるため、 経済団体等を通じて異動時期の分散化を働きかけているが、効果は限定的だったと推察する

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年2月
- 2025年2月のトラック運賃指数は、前月比±0、前年同月比+13の109となっている
- 2025年4月施行の改正物流法により、価格転嫁・取引適正化が促進され、中長期的には運賃指数の上昇が予想される
- 今後は荷主企業と物流事業者が価格上昇という共通課題に対し、協力体制を構築していくことがより一層不可欠になると推察する

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である
2025年1月
- 2025年1月のトラック運賃指数は、前月比-8、前年同月比+12の109となっている
- 1月の運賃指数は、12月と比較すると落ち着きを見せた
- 12月は年末年始の物流需要増大などにより、一時的に運賃が過剰に高騰したと考えられる。そのため、1月は 前年12月比では落ち着きを見せているが、前年同月比では高止まりしている
- 今後も、物価高騰を背景とした価格交渉や取引見直しが活発化することで、運賃水準は高止まりし続ける可能性があると推察する

※コロナ禍以前の2019年10月を「100」とした場合の運賃指数を示した
※上記指数は弊社独自で保有している運賃データベースをもとに分析した数値である

