2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて

佐々木優芽

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佐々木 優芽

船井総研ロジ株式会社
ロジスティクスコンサルティング部

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カーボンニュートラルとは、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることで、実質的にゼロを目指すことです。日本では、2020年10月の所信表明演説において、菅首相 (当時)が2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言しました。

昨今、輸配送や保管など物流による二酸化炭素の排出量が課題となっている中で、物流業界においてもカーボンニュートラルへの取り組みが注目されています。

なぜ注目されているのか

日本の温室効果ガス排出量のうち、割合として最も大きいのは二酸化炭素であり、2022年度では全体の90%以上を占めています。2022年度の二酸化炭素排出量を部門ごとに見ていくと、運輸部門は下記グラフの通り全体の18.5%を占めています。

これらの実態から、物流業界において二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量を削減する取り組みが強く求められます。

2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて
出典:国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」より船井総研ロジ作成

カーボンニュートラル実現に向けた取り組み

■配送ルート・積載率の最適化

効率的な配送ルート設定や積載効率の向上により、輸配送における燃料の消費量を減らし、二酸化炭素の排出量を削減できます。「積載率向上への取り組み」について詳しく知りたい方は、ぜひ以下のコラムを参考にしてください。

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共同配送・共同保管

各所で行われる荷物の配送や倉庫運営を集約することで、トラックによる配送や倉庫の電力使用による二酸化炭素排出量を抑えることができます。あわせて、車両や倉庫の稼働率、庫内生産性の向上も期待できるでしょう。「共同配送・共同保管」について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。

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■再生可能エネルギーへの転換

火力発電は、天然ガスや石炭、石油を燃やして電力を作り出すため、多くの二酸化炭素が排出されます。太陽光発電や風力発電を導入し、物流施設で使用する電力を再生可能エネルギーへの切り替える検討をしてみてはいかがでしょうか。

■緑化活動の促進

カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることが目的であるため、排出量を削減するだけでなく吸収量を増やすことも大切です。二酸化炭素を取り込む植物を育て増やしていくことは、微力ながらカーボンニュートラル実行につながるでしょう。

さいごに

カーボンニュートラルへの取り組みは、企業として環境に対する社会的責任を果たすだけでなく、ESG経営の評価向上にもつながります。2050年までの実現目標に貢献すべく、カーボンニュートラルへの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。

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