物流自動化、その先の物流DXを進めるには
高齢化、人口減少の影響による人手不足は物流業界において深刻な問題となっています。また、2024年問題の影響により人手不足は一層拍車がかかる見込みです。
外国人労働者など、働き手の数そのものを増やす取り組みは、外部要因(国の施策、為替など)の影響を大きく受けるため、根本的な解決にはつながりません。
今回は、DX・デジタル化の観点からも注目されている「物流自動化を進めるためのステップ」を解説します。
物流自動化を進めるための6つのステップ
現場の人海戦術や職人の経験と勘に頼った物流から脱却する分岐点に来ています。
倉庫管理システムや発注システム、配車システムなどのシステムから仕分ソーターやAMR、自動倉庫などのマテハン関連など物流自動化といっても多岐に渡り、どこから手を付けるべきなのか分からずなかなか進まないという状況も多いのではないでしょうか。
物流自動化を進めるにあたり必要なステップは以下となります。
①標準化
検討前に重要なのは「標準化」です。業務プロセスが標準化されていることが重要です。標準化されていなければRFP(提案依頼書)内の仕様を作りこむことすらできません。
②物流自動化の目的設定
物流自動化の目的を「省人化の実現」にするのか、「持続可能な業務フローの構築」とするのか、目的によって、それを達成するための物流自動化の方向性が大きく変わります。目的を明確にすることで「何を」「どこまで」自動化するのかを決めることができます。
③現状把握
「何を」「どこまで」自動化するか決まったら現状把握が必要です。対象拠点の全工程、全作業を一覧化し、それぞれの工程の対象物量や投下している人員数、時間数を可視化します。目的達成するためには現状と比較しどれほどの効果を創出する必要があるのか、創出できる可能性があるのか判断しなければなりません。
④メーカー選定
目標値が決まったらパートナーを探します。RFPを作成し、コンペを開催、各社の提案を比較・検討し、物流自動化の目的達成を共に進めることができるメーカーを選定します。
⑤導入
導入フェーズでは要件定義、詳細設計、設備工事、テスト、トレーニングなど多くの工程があります。予定通りに物流の自動化を進行するためにはメーカーや社内外のステークホルダーを巻き込んでプロジェクトを進行しなければなりません。社内のリソースやリテラシーに応じてPMOを外注し、円滑にプロジェクトを進める必要があるかもしれません。
⑥デジタル化
物流の自動化によってデジタル化を進める一歩となります。すべての情報をデジタル化することで、サプライチェーンの改革や新たな価値の創出につながります。これにより真のデジタル・トランスフォーメーションを実現することが可能となります。
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