未払い残業代のもつリスクとは?
感染症拡大初期では、雇用不安で下火傾向であった労使トラブルも、ここ最近は一転して増加傾向となっています。また、2024年4月の法改正以降はさらに増加すると言われています。
本コラムでは、運送会社が抱える労使トラブルのうち、多いトラブルの一つである未払い残業代のリスクと解決策について解説していきたいと思います。
目次
未払い残業代のリスク
残業代はそれぞれの会社の支給内容を法令に照らし合わせて、正しく支払われているかどうかを判断されます。未払い残業代が存在すると、労働者からの訴え等によって、運輸支局や労働基準監督署の監査がくるリスクが高まり、行政対応に時間を費やすこととなります。
また、労働者は、最大3年間遡って未払い残業代訴訟を起こすことができます。
そうなると、会社は法廷闘争に時間とコストを費やすこととなり、結果次第では未払い残業代だけでなく、遅延損害金や付加金、慰謝料なども含めて多額の支払いを命じられることとなります。
さらに、会社にとって一番恐れることは、一度の訴訟結果から、同種訴訟が連鎖して発生することです。一度目の訴訟結果を判例とされるので、ほぼ同条件の支払いを命じられることになります。
このようなリスクに加え、生産性の低下、信用の失墜、従業員の離職率の上昇などの影響が懸念されます。
未払い残業代の問題解決に向けて
これらの問題を解決するためには、賃金体系のチェックと見直しを行う必要があります。現在の賃金体系に法的リスクがないかをチェックし、従業員が公平性を感じる賃金体系に変更することで、法的リスクからの解放、生産性の向上や従業員との信頼関係の構築につながり、経営に専念することができます。
- ・完全歩合制を導入しているから残業代は支払っていない
- ・完全歩合で計算した金額を基本給と残業代に振り分けている
- ・残業代込みの給与を支払っている
- ・管理職にして残業代をつかないようにしている
- ・採用時に従業員がこの賃金と納得して雇っている
- ・歩合給に残業代が含まれているから大丈夫
一つでも該当する場合には、今すぐ賃金体系のチェックと見直しをしましょう。
未払賃金訴訟と乗務員の連鎖離職を回避する方法を解説/関連セミナー
いよいよ目前に迫った、2024年4月の法改正。物流企業の労務クライシスを避けるための、人事制度の構築と、労務管理について解説する、全国横断セミナーを開催します。
以下のようなことでお悩みの物流企業様におすすめのセミナーです
- ・時間外労働の上限規制の影響で、売上と給与が減って、乗務員が大量離職しそう…
- ・「歩合給が低い仕事や割の合わない仕事はしたくない。」といった声があがっている。業務の平準化、長時間労働の是正が進まない。
- ・賃金改定を検討しているが、
時間にすると、「労働時間」=「成果・給与」になりそう…
固定残業にすると「どれだけ働いても給与が同じ」になりそう… - ・不利益変更にならないように設計するのが難しいし、辞められたらどうしよう…
誤ると会社存続の危機にもつながる、未払い賃金訴訟が起こった時の正しい対処と連鎖訴訟を生むNG行動や、自社に合った乗務員の人事制度の構築方法を解説します。
関連コンテンツ /【無料ダウンロード】トラックドライバーの人事評価・賃金制度構築手法
2024年問題に向けて対策を講じなければいけないときが、いよいよ差し迫っています。割増賃金未払い訴訟に負けない、物流企業の経営者が今年実践すべき具体的な賃金制度の構築手法をまとめています。
荷主からも、求職者からも、従業員からも選ばれる会社になり、万全の状態で2024年問題を乗り越えましょう。
関連サービス /【運送・物流会社向け】人事制度構築コンサルティング
給与査定・評価することや労働法違反対策だけを目的にしない、業績アップを目指し、乗務員の納得性が高い、人事制度を構築します。
サービス/ロジスティクスプロバイダー経営研究会
- 概要
- 業績アップに特化した物流企業が集まる経営研究会!船井総研ロジが主催する研究会は、日本の物流業界をけん引する企業が一堂に会し、業績アップのノウハウを学びます。
- 詳細
- https://www.f-logi.com/butsuryu/society/
サービス/物流企業向けコンサルティング
- 概要
- 当社が有する以下のノウハウを最大限に活用し、コンサルティングサービスを提供しています。物流業界に特化し、全国で300社以上の物流企業の業績アップコンサルティングを展開しています。
- 詳細
- https://www.f-logi.com/butsuryu/consulting/