傭車

トラック運送業者が他のトラック運送業者の車両をドライバーつきで借り受け、あたかも自社の戦力のように使用することをいう。

貨物需要は季節変動が大きいために、自社の車両だけでは十分に対応できず、他社の車両を利用することになるが、傭車には、次のようなトラック運送業界特有の下請関係が形成されている場合もある。

一般に中小のトラック運送業者は独自のマーケティング能力に欠けているために、輸入企業の貨物を獲得できない場合が多い。

これに対して大手のトラック運送業者は、ブランド力もあり荷主企業の信頼も高いことから、貨物を獲得することが比較的容易である。

このため、大手トラック運送業者は、獲得した貨物を貨物のない中小のトラック運送業者に、運ばせることになる。

元請けの大手トラック業者は、「傭車を使う」といい、下請のトラック運送業者は「傭車に出す」と表現する。

元請けのトラック運送業者は、荷主企業からの運賃を受け取るが、そこからコミッションと呼ばれる手数料を差し引き、残りを実際に輸送した下請けのトラック運送業者に支払う。

このため下請けのトラック運送業者は安い運賃に甘んじなければならない。

元請けのトラック運送業者は傭車を抱えておくことで、トラックに対する投資やドライバーの雇用の節約が可能であり、経営上のリスクを回避することができる。

物流業界の時流を、より深く!船井総研ロジのWEBマガジン「ロジー」の物流用語辞典では、 傭車や運行三費など物流関連用語の解説をしています。 また、船井総研ロジは荷主企業・物流/運送企業双方にコンサルサービスなど多岐にわたるサービスをご提供しております。
詳しくはコーポレートサイトをご覧ください。

ページの先頭へ