ブルウィップ効果

ブルウィップ効果とは、サプライチェーンの川下の需要変動が川上にいくほど増幅していく需要変動現象のこと。
川下のごくわずかな需要変動が拡大しながら川上へ伝わっていく様子が、ムチを鳴らしているように見えるためブルウィップ効果(鞭効果、Bullwhip Effect)として世の中に広まった。つまり、供給側では欠品や過剰在庫を恐れるために、実需の変動に対して過剰に反応し、上流に伝搬するにつれて変動が増幅され過剰在庫や欠品が発生する現象を指している。

ブルウィップ効果が起きる主な3つの要因

需要予測の精度
商品の販売数量、販売タイミングを正確に予測することができていないため。

また、消費者ニーズの多様化やライフサイクルの短期化など、需要予測を難しくする要因は多く存在する。需要予測の精度を100%にすることはできないが、統計的手法やAIを活用することで精度をできる限り高めることはできる。

意思決定者の数
意思決定者が多くなればなるほどブルウィップ効果が発生するリスクが高くなる。

企業間では、「小売業⇒卸売業⇒メーカー⇒サプライヤー」、企業内では、「営業部⇒調達部⇒生産部」のように、複数の組織と意思決定者が存在する。それぞれが独自の都合や思惑をもって意思決定に関わることで、小さな需要の変動が大きな波動になる。

情報の透明性・スピード
企業間、組織間で情報の連携ができていない場合や情報伝達が遅いことが発生の原因になる。

例えば、小売店で起きた需要変動の原因をメーカーが把握していない場合、実績値による予測しか行うことができず、いつまで変動が長引くのかが分からない状態が続く。さらに、意思決定者が増えることで情報伝達のタイムラグが発生し、川上へいくほど情報の誤差とタイムラグが大きくなる危険性が高まる。

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