物流現場で活躍する女性 2017.01.16

株式会社ライフサポート・エガワ “倉庫内オペレーター職”編

今回は株式会社ライフサポート・エガワ 戸田センター所属の川内直美様(写真右)と佐藤恵里奈様(写真左)にお話を伺いました。(オブザーバーとして、経営企画室長の松嶋卓司様が同席)

 同社の戸田センターでは主に、菓子を中心とした製品の取扱をしており、コンビニ向けの配送を行っております。センター内は24時間稼動となっております。人員は事務約20名、倉庫管理約50名、ドライバー約60名、総計約130名の従業員が勤務している大所帯のセンターです。

 川内様、佐藤様は2016年度の新入社員で、2ヶ月間の研修を経て、当該センターのオペレーターとして、センター内の入出庫業務を行っております。

“本屋とコンビニでのアルバイトが物流に興味を持ったきっかけ?!”

-物流業界に興味を持たれたきっかけはなんでしょうか

(川内様)「学生時代に本屋でアルバイトをしていました。本屋へ書籍を届ける方を見て、物流に興味を持ちました。色々会社を調べていくなかで、物流業界はあまり女性が活躍されていないことを、会社説明会を見て回ったなかで感じました。しかし、ライフサポート・エガワの会社説明会へ参加した際、女性が活躍しているのを知り、実際に働いている方もいたので、女性でも物流業界で働けるということを知って、入社を決めました。
現在の業務内容としましては、センターの1階で商品の入庫作業、4階のピッキングエリアで商品の整理、不足している商品を各階から集めてまとめたりする作業を行っております。」

(佐藤様)「学生時代にコンビニでアルバイトをしておりました。就職活動をする際、あまり興味のある職種はありませんでした。そのためアルバイトをしていたコンビニの名前をキーワードに会社を検索したところ、ライフサポート・エガワが出てきて興味を持ったことが、当社に入社したきっかけです。物流業界というより、アルバイト先とつながりがあるこの会社が気に入って入社を決めました。業務内容は川内と同じです。」

“女性も物流業界で働けるよ!と知ってもらいたい”

-倉庫内オペレーター職を志望された理由はなんでしょうか

(川内様)「女性が物流業界にいても事務職が多いんですよね。フォークリフトに乗っている女性があまりいないので、自分が働いて、もっと多くの女性に物流業界で女性も働けるよ!ということを発信し、知ってもらいたいという理由で、倉庫内オペレーター職を希望しました。」

川内様、佐藤様が勤務されている戸田センターの外観

“破損につながることは全て失敗談です”

-仕事上の失敗談、苦労したことはありますか

(川内様)「カウンターフォークでの作業が多く、リーチフォークの運転にはまだ慣れていません。フォークリフトのハンドルをきりすぎてしまい、フォークリフトに載せていた商品を倒してしまいました。こういった破損につながることは全て失敗談ですね。」

(佐藤様)「センターの1階で仕事をすることが多いのですが、1階にいる先輩社員は年の離れた方が多く、配属された当初、怒られているわけではないのですが、怒鳴るような口調で言われたときには、びっくりしてしまい、最初の頃は慣れなくて苦労しました。今は同じ口調で言われても“ふ~ん”という感じです(笑)。
あと、口調ではないのですが、ボソッと何か言って去ってしまい、聞き取れないことが多く、大変でした。」

“物流業界に必要なのは、コミュニケーション能力と几帳面さ”

-物流業界に向いている人はどのような性格でしょうか

(川内様)「コミュニケーション能力が高い人でしょうか。挨拶や状況共有が重要になりますので、常に“これどうするの?”と声に出して言う人が一人でもいると情報が共有されやすいので、どんどん自分の意見を発信してくれる人がいいと思います。私は全く出来なくて、口に出していかなければと思うのですが、踏みとどまってしまいます。」

(佐藤様)「几帳面な人でしょうか。私は大雑把なので、フォークリフトで商品を置く際、雑になってしまい、キレイに置かないと並べるスペースを確保できなかったりします。本当は5列くらい置けるところを、私の場合は4列しか置けなかったりするので、几帳面なほうがよいのかなと思います。」

(松嶋様)「男女区別するわけではありませんが、佐藤の話にもあったように、キレイに商品を置くのは男性の方が多いように感じます。女性は効率的に作業を進めるにはどうしたらよいかといった、違った視点で見ているように感じます。両方のよい面があることが、私達にとってはよいことだと思います。」

(川内様)カウンターフォークの操作は得意です!

この商品、私がピッキングしたのかな?!”

-働き出してから知った物流のおもしろさ、楽しさはありますか

(川内様)「センター内で取扱をしているお菓子が、1週間大量に出荷された時期がありました。“この商品売れているのかな?自分でも買ってみようかな”と自分の中で色々と想像するのが楽しいです。」

(佐藤様)「今私が担当している商品が、色々なところへ出荷され、お店に並ぶことを考えると、おもしろいなと思います。コンビニへ行って“あ、もしかしたら私がピッキングしたのかな”と色々考えるとおもしろいです。その商品が色々な人の手に渡って、物流はすごいなと思います。」

“男性に出来るなら、私にも出来る!”

-実際に物流現場で働いてみて、女性も活躍することは可能でしょうか

(川内様)「私ができるので、他の女性でも出来ると思います!」

(佐藤様)「工夫すれば何とかなるという感じです。センターの1階にあるカウンターフォークがガスのフォークリフトなので、ガスボンベを交換する際、重たいボンベを高い位置に上げなければなりません。その作業は私達では無理ですがフォークリフトでガスを持ち上げれば、自分たちだけでもできます。工夫すればできるということですね。」

“企業に女性がいるだけではなく、女性がどのように活躍されているかが重要”

―女性社員を増やすために企業として必要なアピールは何でしょうか

(川内様)「私が当社に入社したきっかけは、女性が実際に働いているということを知ったからです。いくつか物流業界の会社を見てきて、女性が働いていますという情報を発信していたのは当社ぐらいでした。元々私は、事務職であれば物流業界の仕事に就けるかなと思い就職活動中に色々と会社を調べていたのですが、当社は倉庫内オペレーター職として、女性を募集していました。実務的な業務で女性が働ける、しかもフォークリフトに乗って仕事ができるということを知りました。ですから、私たち二人でこうやって頑張っているよというのを発信することで、“私たちも働けるんだ!”と思ってくれる女性がでてくるはずです。」

(佐藤様)「私も同じく、女性が現場で働いていることをアピールすることがよいのではないかと思います。物流業界で“働けるかな?”という不安を持っている女性がいると思います。求人に“女性も大歓迎”と出しており、実際企業としてはOKかもしれませんが、現場サイドは本当にそう思っているのかなと不安に思うことがあるかもしれません。実際現場で働いている人がいることを発信することで“本当に歓迎してくれているんだ!”ということが分かると思います。」

フォークリフト操作時は一瞬たりたとも気が抜けません

(松嶋様)「これまでは、女性を積極的に採用しない限り、物流の現場は明らかな男性社会であるため、倉庫内の運営をするのは男性、そのサポートをするのは女性というのが、どこのセンターでも当たり前のようになっていました。あえて女性を全面に出して募集をしていなかったこともあり、会社として隔てていたわけではないですが、暗黙の了解で入社される女性がいませんでした。女性だけがほしいということではありませんが、女性をアピールすることによって、現在は男女均等に採用できているという状況ですね。」

“現場をスムーズに回せるようになるために・・・”

-今後身につけたいスキル、資格はありますか

(川内様)「シートパレット用フォークに乗れるようになりたいです。乗れる人が少ないため、乗れる人に負担がかかってしまっているのが現状です。その負担を軽くしたいと思っております。乗れるようになりたいのですが、いつみても操作が難しそうだなと。」

(佐藤様)「私もシートパレット用フォークに乗れるようになりたいです。シートパレット用フォークでの作業が必要になると、できる人に依頼をして作業を行っていたため、ドライバーを待たせてしまうことがあります。ドライバーのためにも、現場をスムーズに回すためにも、シートパレット用フォークに乗れるようになることと、一連の業務を全てこなせるようになりたいです。
あとは、センター内に中国人の方が数名いらっしゃるので、中国語を身につけたいなと思います。日本語が話せる方ですが、自分が中国語で話すことができれば、コミュニケーションが更に取りやすくなると思います。
また、戸田センターから全国のコンビニのセンターへ発送をするため、土地勘があれば、住所を見て、遠いセンターの商品からピッキングしておけばその分先に準備ができるので、そういうことが分かっていればスムーズにピッキングの準備が出来るのかなと思います。」

“更衣室・ロッカーの設置、制服のサイズを豊富にしてほしい”

-物流現場で活躍する女性を増やすために、会社へ要望することはありますか

(川内様)「女性をたくさん採用してほしいというのが一番です。そのためには職場がきれいなほうが嬉しいので、そういう面を女性は気にすると思います。更衣室や鍵つきのロッカーがあるといいと思います。」

(佐藤様)「制服のサイズが、男性用のサイズのみなので、いつもブカブカの状態で着ています。もう少しサイズの幅を増やしてもらえると見た目もよくなるのかなと思います。」

(松嶋様)「今後女性が増える見込みなので、そういったことも必要になります。制服に関しては、川内や佐藤に“今度こういうのを作るから着てみて”と依頼をしているので、完全にサンプルになっていますね。かわいいデザインで作ろうとすると嫌がるんですよね(笑)男社会で生きてきた人の考えは“女性にはピンクを”といった偏った考えになってしまいがちです。実際のところ、彼女達はそういったことを求めていないのです。そこは彼女たちへ直接聞かないと意見としてあがってきませんので、色々と意見を吸い上げるようにしています」


取材後記

 今回のインタビューの中で、「企業に女性がいる」ということは女性からすると、同性が同じ職場にいるという安心感を得られるため、企業を選ぶ一つの理由になるということを改めて感じました。しかし、女性が物流現場にいるだけではなく、その人がどのような仕事をして、仕事上のおもしろさ、やりがいについて発信していくことで、女性だけでなく男性も含め物流業界全体に興味を持ってもらえるのではないでしょうか。

  • 今回取材させていただいた企業様

    会社名
    株式会社ライフサポート・エガワ
    設立
    1962年5月
    資本金
    9,900万円
    代表者
    代表取締役 江川 哲生
    従業員数
    710名(パートタイマー含む常時雇用者数)
    事業内容
    一般貨物自動車運送業、特定貨物自動車運送業、貨物軽自動車運送業、貨物運等取扱業、倉庫業、ロジスティクス関連業務(保管・流通加工・配送等)の請負、冷凍チルド輸送業、自動車分解整備業、損害保険代理業、生命保険代理業
    URL
    http://www.egw.co.jp/

Pen Iconこの記事の執筆者

田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

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