物流知恵袋 2019.07.19

収益向上に成功した3PL企業の営業施策

最近、3PL企業の皆様から豊富な営業案件の状況や仕事を選別する話をよく伺います。5年、10年前の国内物流環境とは大きく変化した状況といえます。

一方で3PL企業経営者の皆様にとって「本当に欲しい仕事」が集まっているでしょうか?

ドライバー不足と倉庫作業者不足が短期で解消されることはありません。そのような中で3PL企業が収益を向上させる策は運営効率の向上です。
では3PL企業における運営効率の向上とは何を指すのでしょうか?
物流の効率は「輸配送であれば積載率、実車率、稼働率」「倉庫保管であれば保管効率」「倉庫作業であれば作業能率」です。

その向上を図る方法は主に2つあります。
1つは一般的にはプラットフォームといわれる同業の業務を集めることでノウハウを転用し、活動を共同化することで効率を高める方法。
もう1つはその反対の仕事を集めることで物流の波動や形状、重量の偏りを平準化する方法です。

つまり、3PL企業に求められることは運営効率を向上させる仕事を集めて、選択するということです。比較的仕事が選別できる今のうちに運営効率を向上させる仕事を集める必要があると言えます。

また、今後、縮小するキャパシティの中で収益を向上し続けることは困難になります。
そこで3PL企業が今やるべき基本的な活動が下記の項目になります。

①自社の欲しい貨物を絞り込む
②欲しい荷主・貨物へ提供するサービスを創る
③サービスのツール、ホームページを作成する
④ホームページが検索にかかりやすくなる対策を施す
⑤ターゲットとする荷主へ情報発信する

欲しい荷主・貨物に対して情報発信し、提供できる仕事をホームページ上に判りやすく掲載することで「運営効率を向上するために欲しい貨物」を集めることが可能です。

ただし、この活動は単にホームページを作るというだけでは差別化になりません。荷主企業も物流企業を探す際はホームページで検索します。どの物流企業も一定レベルのホームページは作成しているので、差別化することが必須です。

船井総研ロジでは荷主企業の物流パートナー選定を数多く支援してきましたが、荷主企業が3PLパートナーを決定するにはいくつかのポイントがあります。
我々が特に重要と考えるのは下記3つのポイントです。

荷主企業がパートナーを決定するPOINT

POINT1:荷主の取り扱い商材についてノウハウを保有しているか?

荷主企業が3PLパートナーを選定する際に見る点がノウハウの有無です。同業他社または近い商材の受託実績と、そこから得た運営ノウハウを保有していることを伝えることが重要です。間違いないパートナーとして安心感が生まれます。

POINT2:荷主が考えている方向性と3PLが向いているベクトルが合致しているか?

荷主企業は今後の営業戦略を策定しています。その営業施策は一層の物量増加と物流オペレーションを複雑化するものです。当然それに対応するための物流は高度化を求められることになります。その時、荷主の望む高度化にパートナーが既に注力して取り組んでいると大きな魅力です。

POINT3:継続的に改善が実行され、長期パートナーとしての活動が期待できるか?

POINT1とPOINT2は取引開始時の目線です。あと残されることが『継続性』になります。物流オペレーションには「これでいい」という終わりはありません。次々と営業活動を支援する高度化を図ることが求められます。荷主企業も3PLパートナーを頻繁に変えたいとは考えていません。そのためにも改善が継続されることを望んでいます。

この3つのPOINTを判りやすく納得感のある内容で訴求できると、3PL企業は「欲しい貨物を獲得」し、「荷主と良好な関係を継続して維持」できる企業になります。
取引関係の構築は取引開始時点から始まります。お互いが相手に持つイメージが最初から合致するほど、その後のGAP(ズレ)は抑制されます。最初のイメージと実態の乖離が大きいと不満になり、契約は継続しません。つまり、自社の機能と方向性を明確に打ち出した結果、パートナーに選定された3PL企業は、荷主と良好な関係を継続して維持することができるということです。
上記3つのPOINTを具体的、かつ、魅力あるものとして営業活動することが、運営効率を上げる荷主企業の選択を可能とし、その契約を継続させるものにします。

Pen Iconこの記事の執筆者

渡邉 庸介

船井総研ロジ株式会社 エグゼクティブコンサルタント

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