物申せる組織へ
航空会社、オリエンタルエアブリッジは、2019年7月、国土交通省から、航空機の運航における安全確保に関する業務改善勧告と、安全統括責任者の職務に関する警告を受けました。
勧告を受けた原因は、同年6月、エンジンに取り付けられている発電機部分にオイルがにじんでいるのをベテラン整備士が確認していながら、「微量だから危険ではない」と判断して、オイルの排出口にキャップをして運行を継続させたことです。
本来、このようなイレギュラーを発見したときは、整備士だけで判断してはならず、部署内へ報告・相談をするという手順だったそうです。
しかし、経験による判断を優先してしまったのです。
ただし、さらなる問題は、周りの人が、ベテランに物申すことができなかったことだと言います。
2019年10月28日号でも採り上げたとおり、機長と副操縦士がそれぞれ飛行機を操縦したときの事故率は、機長の方が高いというデータがあります。
これも同じで、副操縦士から上役である機長へは、意見がしづらいケースが多いからです。
風通しのよくない組織は、やはり不具合が起こりやすいのです。
機体整備で業務改善勧告〔敗軍の将、兵を語る〕
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00115/00057/