方向を誤る組織の特徴
旅客機の運行は、通常、機長(正操縦士)と副操縦士が、2人一組で行ないます。
操縦桿を握るのは、どちらか片方です。
では、機長と副操縦士のどちらが操縦したときの方が、事故率が高いでしょうか?
統計によると、機長が操縦桿を握ったときの方が、事故が起こる確率が、はるかに高いそうです。
理由は、何か違和感を感じたとき、機長から副操縦士へは意見を言いやすいですが、逆は言いにくいからです。
そのため、不具合が是正されず、事故につながってしまうのです。
つまり、機長が操縦を担当している多くのフライトでは、チームのメリットが活かされておらず、1人でやっているのと同じ状況になっているということです。
この統計からの示唆は、部下が上司に対して、自由闊達に意見が言えない組織、「それは違うと思います」という言葉が出にくい組織は、方向を誤る危険性が極めて高いということです。
思い当たるところがあれば、早急に改善を図る必要があります。